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感染者/PCR検査に係わる順位 [睡夢庵 日々徒然]

【 感染者/PCR検査に係わる順位 】

日   付   29 28 27 26 25 24 23 22 21 
東京の感染者数 58 60 57 54 48 55 31 29 34 
関東の感染者数 84 87 80 83 69 73 47 35 42 
全国の感染者数 109 112 88 99 79 89 53 40 48 

上記はここ9日間の感染者数の推移ですが、この数値変動を見ても東京都も厚生労働省も経済産業省もまだ様子見を決め込む様です。

今の状況ではすぐに第1波の半分位には到達しそうですね。 日本は元々が「密」なのですから、人が動き始めると「3密」も守れやしません・・・それに今度は傾斜が緩やかだっただけにばら撒かれた無症状感染者の数が多いでしょうから、第1波の様に対策の効果は急には表れないでしょう。

西村経済再生担当大臣は「医療体制には余裕があるので、今の時点で緊急事態宣言の再指定をするとか、心配があるというわけではない」と述べ、現時点で緊急事態宣言の再指定や、都道府県をまたいだ移動の自粛を求める必要はないという認識を示しました、だそうです(^^;)

何を根拠に? それは東京都が挙げている様な指標の数字なのでしょうか? あの様な数字で抑えが効くような物ならば、ドイツやスウェーデンが何故今の様な状況になったのでしょうかね? どちらも日本以上の「感染症防疫システム」を備えていましたが・・・
急激に感染が立ち上がれば日本が持つ余裕度など一瞬にして消し飛んでしまいますよ。 それがアメリカの爆発状態であり、ドイツの一向に下降しない新規感染者数であり、イギリスの死者数なのではないでしょうか?

次も「3密」が同じ様な効果を上げるとでも? 既に殆どの人は「3密」を前提にして行動・対策を講じているにも関わらず上記の様な数字になっているのですから・・・

今回は東京への人の流入・流出を止めなければ収まらないかも・・・

今の所、東京都が何か新たな「感染者捕捉対策」を採ったという話は聞きませんからね。 このままでは先に挙げた数字が描くラインに沿って感染者は加速度的に増えるだけでしょう。

東京都の日々のPCR検査人数を見ると5月7日に急に1106人と前日の98人、前週のMAX454人という数の倍に伸びています。 所が14日を境に30日迄平均では800件を切る所まで落ちてしまいます。 また6月に入ると1500~2000人で推移する様になっていますが本来これが新規感染者の捕捉に回っていればよいのですが・・・
5月24日から感染者が増加に転じている事を見るとどうも14日からの2週間で拡散速度との逆転が起きてしまった様です。

神奈川はほぼ同じ時期に検査件数が減り始め5月24日以降は平均100件弱という所迄減っています。 これでは・・・

北海道は4月下旬から一向に進歩がなく、120人/日前後で推移していますがこの間ピークの499人から現在の86名に徐々に減るという状態ですから、とても濃厚接触者の全てに網を掛ける事など出来ぬ相談ですので、副次感染者がウヨウヨなのでしょうね、ランダムに新規感染者が発生しています。

これに比べニューヨーク州では4月26日時点で薬局を活用して4万件/日に倍増させるという報道が出ていましたね。
やろうと思えば可能な事なのでしょうが、“大東京都”(^^;)が未だに2000人/日、どう考えればいいのでしょうかね。

え?それでも減らなかったではないか? それはそうでしょう、既に感染が蔓延した集団を検査しても検査は感染者を炙り出すためのものですから陽性患者を増やすばかりです。 ですから、検査数/速度が集団の副次感染者数と増加速度を超えていなければ減少には結び付きません。 こう言う意味で副次感染者を追って検査をしない無作為検査の導入は百害あって一利なしと言われるのです。 確かに検査をしなければ、無症状感染者が野放し状態になるのは事実ですが・・・

初期の段階では無症状感染者の割合は半分弱と言われていましたが、厚生労働省が日々報告を上げ始めた空港検疫での結果では無症状率は96.6%になっています。
この状態ではまずもって保菌者を全て捕捉する等は不可能な事でしょう。 となれば何か打つ手はある?ですね。

今感染者が多かった国でほぼ収束状態を維持しているのはスイス、オーストリア、オランダ、オーストラリア、アイルランド、中国、韓国といった辺りが100人/日以下をキープしています。 感染者1万人以下ではノルウェイ、フィンランド、マレーシア、ハンガリー等が1桁/日に近付いています。

しかし、今回のウイルスは季節性を見せませんので、将に今の様な状況がワクチンが開発される迄続くと考えるべきなのでしょう。
ですから、PCR検査能力を新規患者が増えないレベルでバランスさせる所迄高め、常時この能力の維持を図るしか現状採り得る方法はないのでしょう。

日本の状況はと言えば、今現在の検査能力では新規感染者が増え続けていますから、能力不足である事は間違いありません。
まずは東京都が常時5~6000人/日の検査をする能力を持つ事が先決でしょう。 コアの東京が収まらねば、周りはお土産を貰い続ける事になってしまいますから。


以下には厚生労働省報道資料の「各都道府県の検査陽性者の状況」というPDFのデータを使っています。

URL : https://www.mhlw.go.jp/content/10906000/000644366.pdf

各都道府県の人口に関しては「ホームメイト」のサイトにある「47都道府県別の人口」というページのデータを使っています。

URL : https://www.homemate.co.jp/research/population/all/

《 人口十万人当たりの感染者数 》 n/10万人

1. 岩手県   感染者なし 47. 東京都   44.79
2. 鳥取県   0.52    46. 富山県   27.19
3. 鹿児島県  0.67    45. 石川県   26.00
4. 徳島県   0.79    44. 北海道   20.94
5. 長崎県   1.23    43. 大阪府   20.52
6. 岡山県   1.35    42. 福岡県   16.38
7. 宮崎県   1.54    41. 神奈川県  15.94
8. 秋田県   1.56    40. 石川県   15.51
9. 青森県   2.06    39. 千葉県   15.20
10. 静岡県   2.16    38. 埼玉県   15.15

《 PCR検査余裕度 》

感染者1名当たり患者を含め何名の検査を行ったか

1. 岩手県    ?    47. 神奈川県   8.49
2. 鳥取県   490.33   46. 石川県    9.65
3. 鹿児島県  232.82   45. 東京都   12.49
4. 長崎県   186.88   44. 北海道   16.53
5. 徳島県   144.83   43. 富山県   17.16
6. 栃木県    97.09   42. 千葉県   18.92
7. 香川県    94.14   41. 福岡県   19.95
8. 静岡県    91.55   40. 兵庫県   20.76
9. 宮崎県    91.12   39. 沖縄県   21.21
10. 熊本県    86.41   38. 大阪府   21.81
11. 福島県    80.40
12. 大分県    80.05
13. 山梨県    76.32
14. 岡山県    73.31
15. 和歌山県   61.91
16. 三重県    61.89
17. 秋田県    61.88
18. 山口県    60.54
19. 新潟県    57.86
20. 島根県    51.58

24. 宮城県    39.70
  平均     20.96

どの様な組み合わせが感染者数に近似するかを見て来ましたが、上記がその順位関係に最も近い並びを示しました。

ここで言う「PCR検査余裕度」というのは私が勝手につけた名称ですが、その時点までのPCR検査人数感染者数で割るという単純な物です。
これは一人の「感染者」に対し何人の「濃厚接触者」を検査する能力を持っているかの概略を示す物と考えて良いと思っています。

検査実施人数の中には「治療中患者の治癒確認検査」、「医療従事者」、「発熱外来受診者」、「手術対象者」、「介護従事者」等も含まれますので実質的に濃厚接触者捕捉に割かれるのは半分以下のでしょうし、患者が増えるに従ってこの部分の率が上がりますから初動でどれだけ抑えられるかに以後を決めると言ってよいでしょう。

今の所この限界値は25人/人位、これを全都道府県が持てば終息迄持って行く事が可能になるのではと推定しています。 すぐに感染拡大が遮断出来た県は50人/人が殆どだと思います。
24位(中央値)の宮城県で39.70人/人、平均は20.96なのでいかにワースト側が足を引っ張っているか・・・

東京都の感染者の最大は165人/日だったと思いますので東京都は最低限4,125人/日の検査能力を持てばという事ですが、東京都のサイトで直近の最大検査数を見ると6月12日で2,077人しか出来ていません。 因みに陽性は39名(1.88%)で、その前後も2%±ですから効率が悪いと言えば・・・

今迄の様に家族の検査も後回しになる様な状況ではとても感染症防疫体制を充足しているとは言えません。 にも拘わらず、これまでのPCR検査数の伸びを見ていますととても副次感染者迄投網を掛ける能力を得ようとする努力がなされたとは感じられません。 特に東京、北海道、神奈川は状況を改善しようと言う意識があるのかすら疑ってしまう状況です。

それと厚生労働省が主導すべき、PCR検査を行う現場の能力と地方行政組織・厚生労働省との間のタイムラグ&報告形態が一向に改善を見ていません。

毎日の検査情報が的確かつリアルタイムに更新・共有出来る環境がこれだけ時間を経過しても構築できていない様が厚生労働省が発表する「新型コロナウイルス陽性者数(チャーター便帰国者を除く)とPCR検査実施人数(都道府県別)【1/15~6/28】」という報道資料にアカラサマに出ています。 正直これは「国恥」といっても良い物ですが、良くぞこんな物の提示を続けられるものと呆れています。

資料にある各都道府県のPCR検査実施人数ですが
 6/27資料 6/28資料 増加数 日平均 感染者総数/日当り
北海道  20,182 20,326 144 123 1,222/7.4
埼玉県  33,141 33,238 97 201 1,109/6.7
東京都  77,406 77,406 0 469 6,114/37.1
神奈川県 12,347 12,347 0 74 1,464/8.9
愛知県  12,445 12,455 0 75 523/3.2
京都府  9,896 9,896 0 59 366/2.2
大阪府  39,556 39,970 414 242 1,816/11.0
福岡県  15,995 16,166 171 97 854/5.2

この数値は 2020/01/15 からの 165日間の累積値です。 本来であれば厚生労働省担当部局では検査状況がリアルタイムに把握出来る様にシステム化を終えていなければおかしいですね。 PCR検査は「新型コロナ防疫対策」の肝になる機能ですが、未だにこの為体とは・・・
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20200630_PCR-PerKranke.png 左図は総検査数を総感染者で単純に割った物で、「感染者1人当たり何人の検査が実施されるか」ですが日数要素を含みませんので余り意味を持つとは言えませんが、これが感染者数順位に近似します。
20200630_PCR-PerDay.png 左図は1日当たりの平均検査人数になります。 わずか25人で線引きしてもこれを超えている県がたったこれだけというのが実態です。
20200630_PCR-Margin.png 左図は東京都の1日の最大感染者数を各県の人口で引き直して見たもので、その都道府県の検査能力でどの程度カバー出来るかを示すものです。 “1”以上であれば、最大感染者数だけは検査可能という意味ですので、まぁ最低限という所でしょう。 それでもこれを超える所は図の通り寂しい限り。

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空港検疫捕捉感染者
20200630_空港検疫捕捉.png
死者発生県における致死率
20200630_都道府県別死亡率.png
地方別感染者数推移(3/13以降)
20200630_地域別件数推移.png
上位9県感染者累積関東7県日別感染者数
20200630_上位件数伸び.png 20200630_関東日別発生件数.png

西村経済再生担当大臣が「嫌な感じ」と表現したらしいですが、わたしからすれば1週間前の感覚ですね。
PCR検査の様相などを考えると多分この先2週間は増え続ける事でしょう。 それも今すぐに遊興業の休業と東京への勤務以外での出入りを再自粛して貰ってでしょうね。

これ以上考えるのが嫌になりますね。 この上米国や南米の感染力を増したウイルスでも入り込んで来よう物なら如何なる事か。

4か月も前に検討を開始しているべき「感染症防疫体制の立て直しとデジタルシステム化」がまだ何も出来ていない状態に等しい有様ですから・・・


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