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日中冷戦---読売朝刊 [睡夢庵 日々徒然]

【日中冷戦---読売朝刊】

2014/02/04の読売の《政治の現場》に「日中冷戦」の言葉が現れていましたね。

最近の中国の動きを見ていますと、我々の歴史認識を問題にしますが、彼ら自身は第二次世界大戦から一体何を学んだのだろうと首を傾げたくなります。

2014年1月25日スイス・タボスで国際会議「世界経済フォーラム年次総会」の「2014年の世界の課題」と題した討論会での姜建清氏の日本を批判し自らの行動を正当化する発言に会場から失笑が漏れたといいますが、ここには松岡洋右が国際連盟で行った「十字架上の日本」と云われる演説とはまったく異なる民族性(中国人の心情の根)を見てしまいます。 他国の参加者から賞賛を受けた松岡洋右の演説とは異なり、失笑が漏れたという事実を彼らは認識するべきでしょう。

只、彼らは国内で行って来たプロパガンダによる民衆操作には長けていますので、これを世界を相手に大衆に対して行う事で夫々の世論を操作しようとしているのでしょう。 知識層(世界の政治・経済・国際環境に知識を持つ)からは失笑されても、一般層を支配すれば中国との対立軸を打ち消す事が出来ると読んでいるのではないでしょうか。 これは中国共産党が第2次世界大戦中から国内で行い、蒋介石及び当時の知識・支配層を台湾・国外へ追放し、共産党独裁に導いた手法なのですから、これが現在の指導者層の中に刷り込まれているのは間違いのない事実たと思います。

最近の経済発展、世界第2位の経済力を持ち、宇宙開発・軍事面でも第3位の位置についた事実が元々ある「大中華」という驕りを蘇らせたのでしょうか。
彼らは日本をナチスに擬え、プロパガンダによる攻勢を強める事で、自らの軍事力増強と自治州に於ける他民族弾圧、東南アジア・インド方面での国境紛争等を覆い隠そうと意図しているのでしょう。

中国は未だ共産党一党支配の下にあり、第二次世界大戦前の日本以上の思想・言論統制下にありますのでその当時以上の危険を感じます。 この様な圧力は当然周辺の国家との緊張を生みますし、当然の事ならがら軍事的なバランスを取ろうという考えも生まれます。 現在の様な行動が続く様であれば、日本も航空・海上戦力を増強せざるを得なくなります。 なにを好んで戦争のリスクを求めるのか、この国際化の時代にはそぐわない時代遅れの発想ですね。

大戦前の日本は経済発展の為に資源を求めるも、米国のルーズベルトの策謀に掛かり、世界第2位に躍り出た海軍力を背景に戦争に向かっていってしまいましたが、その姿が今の中国に重なります。 日本にも中国の《中華思想》と通ずる《日ノ本神国思想》があり、これが選民(優れ・選ばれた民族)思想に繋がり、遅れた韓国・中国・東南アジアの諸国をアングロサクソンの支配と搾取から救い植民地から開放するという理想を戦争遂行の口実に転化させる原因を生みました。

しかしながら、当時米・英・オランダ等からの経済的圧力への対抗上身の程もわきまえぬ軍事力増強のせいもありますが、国家経済が成り立たなくなりつつあった日本とは異なり、中国は自ら資源も持ち、経済力も付けて来ています。 この面からみれば、国際社会に対しては受動的であった日本に比べ、積極的挑戦として受け取らざるを得ないと思いますのでより危険な存在です。

有史以来現在迄、民族、宗教、思想、経済的対立から戦争と殺戮を繰り返して未だ覚めないのが人間。 今地球上の各地で繰り返されている戦争は全て人間の欲という業によるもの。 自らの優位性を確認し、権力を確保せねば気が済まない。 そして敗者を虐げ、自らを称揚したいという原始的・動物的欲求から未だ開放されていません。

これが人間(権力のトップに昇り詰めた)の性とすれば・・・人間に残された未来を思い、暗然とならざるを得ませんね。

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