動作時の血圧変動について [睡夢庵 日々徒然]
【 動作時の血圧変動について 】
最近テレビの健康・医療番組を見ていると一生懸命高血圧患者を作る様教宣している様に見えます。
芸人が24時間血圧計を付けて、舞台に立った時や打合せをしたりしている時に 3~40mmHg のピークが出来たからといって「血圧サージ」で要注意だななんて言っています。 寧ろ上がらない方がおかしいのではと思いますがね。
私の場合、デスクワークをしている時と安静時では 115mmHg ~ 165mmHg 位で変動します。 もともと交感神経優位型な事と少し心肥大があるせいか平常血圧に戻る迄に時間が掛かります。 大体血圧を計ろうと椅子に座り直した直後の2~4回は 140mmHg 以上、その直前の興奮・体動状態によっては 160mmHg 台といった事もあります。 それに 120-130mmHg台 の安静時血圧帯に入っても、ちょっと考え事をしたりPCやTV画面を注視したりすると 20mmHg 位は簡単に変動します。
下の表は秋田県立循環器・脳脊髄センターで通常血圧 160mmHg 以上の高血圧患者が特定の動作した時にどれだけ血圧が変動するか調査した際のデータとしてサイト上に掲載されている物からの転載です。
これは高血圧患者のデータですので、血管壁の柔らかな方には合致しないというのかもしれませんが、これだけの血圧上昇があっても発症してはいないのです。 極端なケースでは 160mmHg + 142mmHg = 302mmHg でも脳血管疾患を発症している訳ではありません。
≪動作前の血圧と動作中の最大血圧の差≫
詳細に関しては以下のページ周辺を参照して下さい。
URL : http://www.akita-noken.jp/pc/introduction/publicity/media/cat/id480.php?type=
この中に血圧が1mmHg 上昇すると脳卒中の危険が5%アップするとも書かれています。
至適血圧は 120mmHg ですので、単純計算なら高位正常グループ上限 140mmHg だとリスクは100%という事になってしまいます。 ちょっと馬鹿げてはいませんか、ですね。 何に対してリスク100%なの?ですね。 通常血圧が 140mmHg の人の脳卒中発症リスクが100%な訳がありませんよね?
また、高血圧の管理基準の上限値自体が僅かの間に 20mmHg も引き下げられており、これも異常といっていいですね。
脳血管系の死亡者数は厚生労働省が発表している資料によると昭和45年を境に減少に転じていますが、特段の対策が採られたという話は聞きませんので、これは食生活の変化(塩分摂取量の減少)による影響でしょう。
以下は
厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
URL : http://www.pinkribbonfestival.jp/about/pdf/h29.pdf
に記載されている「主な死因別に見た死亡率の年次推移」グラフを転載しておきます。
上記のグラフを見ると1987年の高血圧基準を設けた年から「脳血管疾患」の死亡率推移がそれまでの急速な改善カーブからフラットに急激変化しています。 現在より30年前の話ですから、団塊の世代がその数字に関わるものでもないでしょう。
このグラフを見ると、寧ろ気になるのは平成5~8年に掛けてのグラフの振れですね。 心疾患、肺炎が大きく減り、悪性新生物、脳血管疾患が増えています。 この時期治療現場で何があったか?
この中で悪性新生物、心疾患、肺炎はほぼ同じ様なカーブですので、高齢化の波を表しているのでしょう。
これに比べ脳血管疾患と老衰は異なるカーブを描いている様に感じます。
脳血管疾患に関しては異常の早期発見の手段と治療手段・処置薬の進歩が増加に転じるのを抑えているのであって、これが血圧管理によるものとは思えません。
そして平成16年以降の急速な老衰死の増加です。 私はこれは血圧を弄り過ぎた可能性が十分に考えられると思っています。
高齢者に降圧剤を使うと認知症から痴呆症、寝たきりになる確率が高いと感じています。
私自身血圧が110~120台になると眠気や怠さを感じている事が多いですから。 至適血圧とされる値は現在の私にとっては不健康極まりない状態(^^;)
Wikipedia の高血圧の項を見ると
血圧と死亡率を年令の関連をグラフにすると、120/80mmHg 未満での死亡率が有意に低くなり、一見すると「血圧は低ければ低いほどよい」様に見えるが、年令別にみると男女共に年令に関係なく 160/100mmHg 未満までは循環器系疾患死亡率が上昇しない[6]。一方、180/110mmHg 以上の人を 160/100 mmHg と強く下げた場合に死亡率が上昇する傾向がある[6]。また、高血圧症治療(降圧薬服用)は全ての世代でリスク要因であった[6]。更に、「基準値を年齢別・性別に設定すべきである」「160/100 mmHg 以下では健康リスクとならない」「薬物治療は 180/110 mmHg 以上を限定とし降圧は 20mmHg までとする」
といった記述があります。
で、高血圧の基準はというと以下の様に変遷しています。
1987年(昭和62年) 180mmHg 以下
2004年(平成16年) 140mmHg 以下
2008年(平成20年) 130mmHg 以下
2014年(平成26年) 130mmHg 以下
2019年(令和元年) 120mmHg 以下 日本高血圧学会ガイドラインにて
上記ガイドラインのエッセンスは
公益財団法人 日本心臓財団 の下記ページに纏められていますが、より細分化かつ至適血圧を下げて来ています。
URL : https://www.jhf.or.jp/pro/a&s_info/guideline/post_3.html
これは 2017年度に米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)が出したガイドラインに沿って変更していますが、基準値が下がっただけでなく、治療基準がより画一化され数値の扱い方次第では飛んでもない数の高血圧患者を作り出す基準になっています。
とてもじゃないけれど、こんな基準は百害あって一利なしでは?ですね。
なお、1999年(平成11年) WHO/ISH の判定基準は
重度高血圧 180/110mmHg 以上
中度高血圧 160-188/100-110mmHg 未満
軽度高血圧 140-160/90-100mmHg 未満
正常高値 130-140/85-90mmHg 未満
正常 120-130/80-85mmHg 未満
至適血圧 120/80mmHg 未満
平成の間は国内で市販される血圧計の基準値は皆これになっています。
でこれ以前の基準は
高血圧 160/95mmHg 以上
境界域 140-160/90-95mmHg 未満
正常 140/90mmHg未満
前出のグラフの脳血管疾病とこれらの基準の制定及び変更の間にプラスの効果が出ている様には見えないのですが(^^)
【追記: 2020/01/26 温度変化と血圧に関する資料 】
高齢者の気温変化と血圧に関する調査資料がありましたので追記しておきます。
70歳以上では室温が10℃下がると 7mmHg 位の上昇があって当たり前の様です。
手指に痺れる冷えを感じている時は椅子に座ってすぐの計りはじめの数値は 10~20mmHg 以上高い値を示す事が多いですね。 3~5回目で130台に落ち着きますが。
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室 作成のPDFで高断熱住宅の効果確認(宣伝?)用でしょうか。
URL: https://www.ikaga-yusuhara.jp/file/JST_20130517.pdf
次はオムロンヘルスケア(株)のウェルネスリンクサービスの「にっぽん健康データ2012」 結果概要 です。
オムロンの血圧計を使い、ウェルネスリンクでデータを管理している方々のデータを元にしたものという事です。
URL: https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2013/0213.html
最近テレビの健康・医療番組を見ていると一生懸命高血圧患者を作る様教宣している様に見えます。
芸人が24時間血圧計を付けて、舞台に立った時や打合せをしたりしている時に 3~40mmHg のピークが出来たからといって「血圧サージ」で要注意だななんて言っています。 寧ろ上がらない方がおかしいのではと思いますがね。
私の場合、デスクワークをしている時と安静時では 115mmHg ~ 165mmHg 位で変動します。 もともと交感神経優位型な事と少し心肥大があるせいか平常血圧に戻る迄に時間が掛かります。 大体血圧を計ろうと椅子に座り直した直後の2~4回は 140mmHg 以上、その直前の興奮・体動状態によっては 160mmHg 台といった事もあります。 それに 120-130mmHg台 の安静時血圧帯に入っても、ちょっと考え事をしたりPCやTV画面を注視したりすると 20mmHg 位は簡単に変動します。
下の表は秋田県立循環器・脳脊髄センターで通常血圧 160mmHg 以上の高血圧患者が特定の動作した時にどれだけ血圧が変動するか調査した際のデータとしてサイト上に掲載されている物からの転載です。
これは高血圧患者のデータですので、血管壁の柔らかな方には合致しないというのかもしれませんが、これだけの血圧上昇があっても発症してはいないのです。 極端なケースでは 160mmHg + 142mmHg = 302mmHg でも脳血管疾患を発症している訳ではありません。
≪動作前の血圧と動作中の最大血圧の差≫
動作の種類 | 平均上昇値(mmHg) | 上昇範囲(mmHg) | 調査人数 |
目覚め | 23 | 4- 62 | 13 |
排便(和式) | 77 | 25-142 | 8 |
排便(洋式) | 62 | 32- 97 | 4 |
排尿 | 32 | 3-129 | 13 |
階段昇降 | 57 | 24-124 | 11 |
せき | 81 | 26-123 | 4 |
くしゃみ | 48 | 4-104 | 4 |
医師との会話 | 37 | 12-120 | 11 |
家族との会話 | 36 | 4- 70 | 7 |
喫煙 | 38 | 21- 60 | 3 |
食事 | 33 | 3- 73 | 16 |
詳細に関しては以下のページ周辺を参照して下さい。
URL : http://www.akita-noken.jp/pc/introduction/publicity/media/cat/id480.php?type=
この中に血圧が1mmHg 上昇すると脳卒中の危険が5%アップするとも書かれています。
至適血圧は 120mmHg ですので、単純計算なら高位正常グループ上限 140mmHg だとリスクは100%という事になってしまいます。 ちょっと馬鹿げてはいませんか、ですね。 何に対してリスク100%なの?ですね。 通常血圧が 140mmHg の人の脳卒中発症リスクが100%な訳がありませんよね?
また、高血圧の管理基準の上限値自体が僅かの間に 20mmHg も引き下げられており、これも異常といっていいですね。
脳血管系の死亡者数は厚生労働省が発表している資料によると昭和45年を境に減少に転じていますが、特段の対策が採られたという話は聞きませんので、これは食生活の変化(塩分摂取量の減少)による影響でしょう。
以下は
厚生労働省「平成29年(2017)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
URL : http://www.pinkribbonfestival.jp/about/pdf/h29.pdf
に記載されている「主な死因別に見た死亡率の年次推移」グラフを転載しておきます。
上記のグラフを見ると1987年の高血圧基準を設けた年から「脳血管疾患」の死亡率推移がそれまでの急速な改善カーブからフラットに急激変化しています。 現在より30年前の話ですから、団塊の世代がその数字に関わるものでもないでしょう。
このグラフを見ると、寧ろ気になるのは平成5~8年に掛けてのグラフの振れですね。 心疾患、肺炎が大きく減り、悪性新生物、脳血管疾患が増えています。 この時期治療現場で何があったか?
この中で悪性新生物、心疾患、肺炎はほぼ同じ様なカーブですので、高齢化の波を表しているのでしょう。
これに比べ脳血管疾患と老衰は異なるカーブを描いている様に感じます。
脳血管疾患に関しては異常の早期発見の手段と治療手段・処置薬の進歩が増加に転じるのを抑えているのであって、これが血圧管理によるものとは思えません。
そして平成16年以降の急速な老衰死の増加です。 私はこれは血圧を弄り過ぎた可能性が十分に考えられると思っています。
高齢者に降圧剤を使うと認知症から痴呆症、寝たきりになる確率が高いと感じています。
私自身血圧が110~120台になると眠気や怠さを感じている事が多いですから。 至適血圧とされる値は現在の私にとっては不健康極まりない状態(^^;)
Wikipedia の高血圧の項を見ると
血圧と死亡率を年令の関連をグラフにすると、120/80mmHg 未満での死亡率が有意に低くなり、一見すると「血圧は低ければ低いほどよい」様に見えるが、年令別にみると男女共に年令に関係なく 160/100mmHg 未満までは循環器系疾患死亡率が上昇しない[6]。一方、180/110mmHg 以上の人を 160/100 mmHg と強く下げた場合に死亡率が上昇する傾向がある[6]。また、高血圧症治療(降圧薬服用)は全ての世代でリスク要因であった[6]。更に、「基準値を年齢別・性別に設定すべきである」「160/100 mmHg 以下では健康リスクとならない」「薬物治療は 180/110 mmHg 以上を限定とし降圧は 20mmHg までとする」
といった記述があります。
で、高血圧の基準はというと以下の様に変遷しています。
1987年(昭和62年) 180mmHg 以下
2004年(平成16年) 140mmHg 以下
2008年(平成20年) 130mmHg 以下
2014年(平成26年) 130mmHg 以下
日本高血圧学会 (JSH2014) | ||
レベル | 最高血圧 | 最低血圧 |
III度高血圧 | ≧180 | ≧110 |
II度高血圧 | 160-179 | 100-109 |
I度高血圧 | 140-159 | 90-99 |
(孤立性)収縮期高血圧 | ≧140 | <90 |
正常高値血圧 | 130-139 | 85-89 |
正常血圧 | 120-129 | 80-84 |
至適血圧 | <120 | <80 |
2019年(令和元年) 120mmHg 以下 日本高血圧学会ガイドラインにて
上記ガイドラインのエッセンスは
公益財団法人 日本心臓財団 の下記ページに纏められていますが、より細分化かつ至適血圧を下げて来ています。
URL : https://www.jhf.or.jp/pro/a&s_info/guideline/post_3.html
これは 2017年度に米国心臓協会(AHA)と米国心臓病学会(ACC)が出したガイドラインに沿って変更していますが、基準値が下がっただけでなく、治療基準がより画一化され数値の扱い方次第では飛んでもない数の高血圧患者を作り出す基準になっています。
とてもじゃないけれど、こんな基準は百害あって一利なしでは?ですね。
なお、1999年(平成11年) WHO/ISH の判定基準は
重度高血圧 180/110mmHg 以上
中度高血圧 160-188/100-110mmHg 未満
軽度高血圧 140-160/90-100mmHg 未満
正常高値 130-140/85-90mmHg 未満
正常 120-130/80-85mmHg 未満
至適血圧 120/80mmHg 未満
平成の間は国内で市販される血圧計の基準値は皆これになっています。
でこれ以前の基準は
高血圧 160/95mmHg 以上
境界域 140-160/90-95mmHg 未満
正常 140/90mmHg未満
前出のグラフの脳血管疾病とこれらの基準の制定及び変更の間にプラスの効果が出ている様には見えないのですが(^^)
【追記: 2020/01/26 温度変化と血圧に関する資料 】
高齢者の気温変化と血圧に関する調査資料がありましたので追記しておきます。
70歳以上では室温が10℃下がると 7mmHg 位の上昇があって当たり前の様です。
手指に痺れる冷えを感じている時は椅子に座ってすぐの計りはじめの数値は 10~20mmHg 以上高い値を示す事が多いですね。 3~5回目で130台に落ち着きますが。
慶應義塾大学 伊香賀俊治研究室 作成のPDFで高断熱住宅の効果確認(宣伝?)用でしょうか。
URL: https://www.ikaga-yusuhara.jp/file/JST_20130517.pdf
次はオムロンヘルスケア(株)のウェルネスリンクサービスの「にっぽん健康データ2012」 結果概要 です。
オムロンの血圧計を使い、ウェルネスリンクでデータを管理している方々のデータを元にしたものという事です。
URL: https://www.healthcare.omron.co.jp/corp/news/2013/0213.html