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電脳環境: スタイラス交換-その後2 [睡夢庵の電脳環境]

【電脳環境: スタイラス交換-その後2】

一昨日よりA'pis製 VN-35E と V-15 TYPEⅢ のボデーで一部のLPのVBR-V0でのMP3化に着手しました。 ここでこの組み合わせをMDR-F1で聴いていると、VN-35E A'pis製に私が下した評価についてお断りをして措かねばという思いを抱きました。 色々苦言を呈してしまいましたが、これは“純正品との組み合わせに私が抱いていたイメージ(音色)の再現を求めた”という理由からだということなのです。 互換品は限りなく“純正品と同じ特性を持つ”ものでなければならない・・・ある意味不可能?な命題なのでしょうね。
それに硬質に聴こえるのは SL-1200mk3 と YP-600 の差も影響していますから。

しかし、A'pis製 VN-35E と V-15 TYPEⅢ のボデーの組み合わせを、新しいカートリッジとして捉えて聴けば、評価もすこし違ったものになります。

針圧を 1.3g とするとこれはこれで余分な付加音のない引き締まった粒立ちと定位の良い音を聴かせてくれます。 楽器自体の音色の再現性という意味では純正品よりもその直接音を忠実に再現しているといってよいのかもしれません。 この性格は弦・管やオーケストラに対しても変わりませんので、ある意味純正品以上にオールマイティになっています。 それにすこしエージングの効果が現れたのか音の広がりと艶も増した様な気がします。

カートリッジをレコードの音溝に刻まれた音を忠実に再現する為の物と考えるか、これも一つの楽器として捉えるかですかね。 現実問題としてピンからキリ迄数多くのカートリッジが存在するという事は未だ忠実に原音を再現し、己自身のカラーを表に出さぬものは存在しないという事を示しているのではないでしょうか。 とすれば、楽器や人の声を聴く者が持つイメージ通りに再現してくれるものが己にとって最良のカートリッジだという事になります。 だから困ってしまう。 それに年金生活者にとってはこのクラスのカートリッジ、その音も知らずにおいそれと買える値段ではありませんし。

SoundEngine Free で SE-U33GX から 96KHz/24bit で拾う音はダイナミックで格段に粒立ち、抜けの良い音です。 単純計算では、サンプリング時点で2倍*1.5倍=3倍の情報量の差がある訳ですから、当然かもしれません。
この構成で拾う音はVBR-V0に落とした後でも透明感の高いガッチリした粒立ちの良い音がしますが、192kbps との差は僅かなものでミュージック・プレーヤー等のイヤフォーンで聴くには必要はないでしょう。
レコードの直接再生とは明らかな差がありますので、VBR-V0にするのはながら聴き用という事・・・とすればその必要性は余りないという事になりますかね。

【今後のMP3化について】

《システム構成》

プレーヤー  : Technics SL-1200mk3
カートリッジ : SHURE V-15 TYPEⅢ+A'pis製VN-35E
アンプ    : ONKYO SE-U33GX
PC     : Mother Board ASUStek P5QPL-VM-EPU
         CPU      Intel E8500
         Memory    CFD W2U800CQ-2GL5J
         OS      Windows XP SP3
《今後の流れ》《過去の流れ》
レコードレコード
  ▽  ▽
SHURE V-15 TYPEⅢ(VN-35E/SL-1200mk3) (VN-35MR/YP-600)
  ▽  ▽
SE-U33GX Phono AmpSE-U33GX Phono Amp
  ▽  ▽
SE-U33GX DAC (96KHz/24bit)(48KHz/16bit)
  ▽  ▽
USB DriverUSB Driver
  ▽  ▽
SE-U33GX用I/O DriverSE-U33GX用I/O Driver
  ▽  ▽
SoundEncoder Free(Microsoft PCM)午後のコーダ
  ▽  ▽
Lame encoder(Lame-enc.DLL)(GOGO.DLL)
  ▽  ▽
MP3 (VBR V0/44.1KHz) (CBR 192Kbps/44.1KHz)

《使用ソフト》

・ SoundEngine Free
・ mp3DirectCut
・ MP3アルバムメーカー

《手順》

1. SoundEngine Freeを使い、96KHz/24bitでWAVEファイルに取り込み
2. SoundEngine FreeからLame encoderを直接制御してVBR-V0でMP3化
3. mp3DirectCut を使い楽章分割を行い、個別にMP3ファイル化
4. MP3アルバムメーカーを使い、レコード1枚分を曲を単位に
  解凍時出力フォルダをつけてグループ化してzipedMP3ファイルに

シュタルケル ドヴォルザーク チェロ協奏曲 ロ短調 作品114

ポリーニ   ショパン 練習曲集
            前奏曲集
            ポロネーズ集
       ベートーヴェン ピアノ協奏曲 第4番
               ピアノ・ソナタ第30/31番
       モーツァルト ピアノ協奏曲 第23番/第19番

ケフェレック ラヴェル ピアノ協奏曲 ト長調/ニ長調(左手の為の)
       シューベルト 即興曲 作品90/楽興の時 作品94

レオンハルト 3台の歴史的チェンバロの魅力

スヴェシニコフ ラフマニノフ 「晩祷」

カラヤン   弦楽合奏の精髄
       舞踏への招待
       アルビノーニのアダージョ

ベルグルンド シベリウス管弦楽名曲集

ストコフスキー ホルスト 「惑星」

ここまで V-15+VN-35E(A'pis製)1.3g、
ここから 1000ZE/X+S-1000ZE/X(A'pis製)0.9g でトライ開始。

ラスキーヌ リリー・ラスキーヌ 名演集<1>

パールマン フランス ヴァイオリン名曲集

コレギウム・アウレウム アイネ・クライネ・ナハトムジーク

クリスティーナとウーゴ コンドルは飛んで行く

クリスティーナの透き通ったソプラノの再生では A'pis製 S-1000ZE/X は破綻をみせてしまいます。

以下はこのレコード(SFX-5102) B1 インカの父/PADRE INCA 冒頭部のクリスティーナのソプラノの聴こえ方の比較です。

《YP-600+S-1000ZE/X純正》 

《SL-1200mk3+VN-35E》

《SL-1200mk3+S-1000ZE/Z純正》

《SL-1200mk3+S-1000ZE/X A'pis製》


以下は上記の元ファイル1曲全体を再生した場合の全帯域のクリップ波形で組み合わせ確認を行ったものです。 やはり最初の確認で出ていた高域の落ち込みと19KHz中心の妙な山が出ています。

《YP-600+1000ZE/X 純正とSL-1200mk3+VN-35E(A'pis)の比較》
comp_yp600&E_35E.jpg
赤: SL-1200mk3+VN-35E(A'pis製)(VBR-V0)
紫: YP-600+S-1000ZE/X純正(192kbps-CBR)
44.1kHZ/192kbps/GOGO.DLLと44.1KHz/VBR-V0/Lameの比較。 1000ZE/X純正の方が低域がすこし厚いことが分かります。 VN-35Eはよりフラットなので高域が強調気味に聴こえるのでしょう。
《YP-600+1000ZE/X 純正とSL-1200mk3+1000ZE/X(A'pis)の比較》
comp_yp600-oldE_new.jpg
赤: SL-1200mk3+S-1000ZE/X(A'pis製)(VBR-V0)
紫: YP-600+S-1000ZE/X純正(192kbps-CBR)
A'pis製は10KHz以上で大きな落ち込みをみせ、19KHz前後に大きな山があります。 サスペンション辺りに何らかの製造不良でも?
《SL-1200mk3+VN-35EとSL-1200mk3+1000ZE/X純正の比較》
comp_35E-oldE.jpg
赤: SL-1200mk3+VN-35E(A'pis製)(VBR-V0)
紫: SL-1200mk3+S-1000ZE/X純正(VBR-V0)
SL-1200mk3と1000ZE/X純正の組み合わせでは高域の煌きが薄れます。
《YP-600+1000ZE/X 純正とSL-1200mk3+1000ZE/X純正の比較》
comp_E_yp600-sl1200.jpg
赤: YP-600+S-1000ZE/X純正(192kbps-CBR)
紫: SL-1200mk3+S-1000ZE/X純正(VBR-V0)
YP-600の方が高域がすこし暴れている様です。 これが艶になっているのかも。 多分プレーヤーのアームの差でしょうね。
《SL-1200mk3+1000ZE/X純正とSL-1200mk3+1000ZE/X(A'pis)の比較》
comp_e_old_new.jpg
赤: SL-1200mk3+S-1000ZE/X(A'pis製)(VBR-V0)
紫: SL-1200mk3+S-1000ZE/X純正(VBR-V0)
これでは性格的にまったく異なるものになってしまいます。

A'pis製の S-1000ZE/X はお蔵入りにするしかない様です。 VN-35E の方は段々耳が受け入れる様になって来ましたので、これは寿命迄使ってみる積りです。

これまでに上記のMP3化を終わらせましたが、これらのレートは 平均242kbps 位になっています。 言い換えれば 256kbps 以下のファイル容量で 320kbps 以上の音質が得られるという事になります。

今から8年前(もうそんなに経っているのか)にMP3化したものと比較するとレートが 48KHz/16bit&192kbps/44.1KHz というせいもありますが、確かに音の密度が違っています。 しかし、昔に採ったポリーニのモーツァルト/ショパンのVN35-MRの煌く高域、チェンバロやラフマニノフの「晩祷」になると 1000ZE/X の暖色の円やかで豊かな音色の方がやはり私の好みですね(^^;)>
そうそう、VBR-V0 のzipedmp3ですと Winamp v5.621 では再生時間が大分大きな値になってしまいます。

過去に数ヶ月を掛けMP3化を完了した全てを VBR-V0 にする元気はもうありませんが、よく聴くものは順次・・・かといって多分前の物を廃棄することはないでしょう。 まったりと音に浸るには以前の録音の方が私の好みにあったものが結構あるはず・・・192kbpsの音でもその魅力は捨て難い。


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