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BGM: ミュンシュ / ドビュッシー・アルベニス 《イベリア》 [睡夢庵のBGM]

【BGM: ミュンシュ / ドビュッシー・アルベニス 《イベリア》】

今日はミュンシュ指揮のフランス国立放送管弦楽団によるドビュッシーとアルベニスの《イベリア》のカップリング盤。
管弦楽によるアルベニスの《イベリア》を探していて見つけたものです。 このカップリングはまずない?(^^)

ドビュッシーは「映像」と題した曲集を4つ残していますが、この曲はその第3集のひとつ、3楽章構成の交響組曲風の作品であり、管弦楽の為の「映像」の第2曲として1908年末に完成したもので、1910年2月20日パリで初演されています。 ドビュッシーはこれ以前に「映像」という題の2つのピアノ曲集を作曲しており、これはその3集目として2台のピアノ用として着想されたものでしたが、構想が進む内に管弦楽用に変化して行きます。 1905年着手から7年後の1912年に完成をみますが、第1曲《ジーグ》はスコットランドの音楽(バグパイプの雰囲気)をベースにしており、第2曲《イベリア》はスペイン風のリズムと抑揚を取り入れたエキゾティックな調べ、第3曲《春のロンド》はフランスの古い民謡(童謡)から柔らかな音色を紡いだ曲になっています。 演奏時間の短い2曲に比べ、20分前後の演奏時間になりますので、この2曲目は演奏会でもよく取り上げられる様です。

アルベニスの《イベリア》は1909年アルベニスの死の直前に完成したピアノ曲として作られた組曲《イベリア》を管弦楽曲にアレンジしたものであり、正確にはアルベニス自身の手に拠って完成されたものではありません。 ピアノ曲の管弦楽曲化を勧めたのは友人であったスペインの指揮者エンリケ・フェルナンデス・アルボスであり、彼自身が演奏会のためにスペインの香り豊かな曲を求めており、ピアノ組曲《イベリア》はその原曲にふさわしい思ったことによる。 アルベニスの死後アルボスがその編曲を引き継ぎ完成させたもの。

『ドビュッシー』(Claude Achille Debussy, 1862/08/22-1918/03/25没)、フランス・イヴリーヌのサン・ジェルマン=アン=レー生まれの作曲家。 1872年からパリ音楽院に在籍。 1880年チャイコフスキーのパトロンであったフォン・メリック夫人の長期旅行にピアニストとして同行し、チャイコフスキーをはじめとするロシア5人組の影響を受ける。 1884年カンタータ《放蕩息子》でローマ大賞を受賞し、翌年からイタリア・ローマへ留学するもイタリアの雰囲気に馴染めず、期間を繰り上げてパリに戻る。 1889年パリ万国博覧会でバリのガムランやバイロイトでの音楽体験から彼の印象主義音楽が生まれてくる。

『アルベニス』(Isaac Manuel Francisco Albeniz y Pascual, 1860/05/29-1909/05/18没)、スペイン・カタルーニャ地方のカンプロドン生まれのピアニスト・作曲家。 4歳の時に既にピアノ演奏をこなすほどの天才児だった。 ライプチッヒ、ブリュッセルにてピアノを学ぶ。 1883年作曲家フェリペ・ペドレルの勧めもあって作曲に手を染める。 1890年代にはパリ/ロンドンに住み、劇場作品の作曲を行っていたが、1900年に病を得、ピアノ曲の作曲に戻り、組曲《イベリア》等を残す。

『シャルル・ミュンシュ』(Charles Munch, 1891/09/26-1968/11/06没)、ドイツ・アルザス地方のストラスブール生まれのドイツ系アルザス人のバイオリニスト・指揮者。 ドイツ名はカール・ミュンヒ、第一次世界大戦後アルザスがフランス領に戻った際一時ドイツ国籍を選ぶがナチの台頭を嫌い、フランスに帰化してフランス風に名前も変えている。 1926年からライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のバイオリニストとなり、1932年迄フルトヴェングラー/ワルターの下でコンマスを務める。 1929年パリで指揮者デビュー。 1937~46年迄パリ音楽院管弦楽団の指揮者を務め、1949~62年ボストン交響楽団の常任指揮者の地位に就く。 1967年パリ管弦楽団が組織された際その初代音楽監督に就任したが、翌年の同団のとの演奏旅行中にアメリカのリッチモンドで急逝する。
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発売日: 1973
RCA/ビクター音楽産業
LP-No.: SRA-2904
- SRA-2904 Side-1 -
ドビュッシー 管弦楽の為の「映像」 第2番 《イベリア》

01. 第1楽章 町の道といなかの道
02. 第2楽章 夜の香り
  第3楽章 祭りの朝

アルベニス 《イベリア》
03. エヴカシオン

- SRA-2904 Side-2 -
01. セヴィリアの聖体祭り
02. トリアーナ
03. 港(エル・プエルト)
04. エル・アルバイシン

指揮: シャルル・ミュンシュ
演奏: フランス国立放送管弦楽団