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BGM: マルタ・アルゲリッチ / 幻のショパン・レコーディング1965 [睡夢庵のBGM]

【BGM: マルタ・アルゲリッチ / 幻のショパン・レコーディング1965 】

今日は一度紹介しているショパン・ピアノソナタ 第3番の名演と言われる録音です。 アルゲリッチは1965年の第7回ショパン国際コンクールで優勝しますが、これはその直後にEMIで録音したものです。 これは契約の関係から1999年迄お蔵入りになっていたものですので、“幻の・・・”というコピーが付いています。
若さ溢れるエネルギッシュな演奏で、非常に冴えた(タッチが正確)、そして厚みのある響き豊かな演奏です。

以前紹介した「ショパン・リサイタル」はドイツグラモフォンで1967/01/15-17に録音したものですが、この2つは明らかに表現が違います。 これは自らの思いをピアノに叩き付けた様な豪快な演奏ですが、グラモフォンのものはテンポも早く軽やかな演奏になっています。 ベダリングも異なっているのでしょう、下の図の様に減衰速度が明らかに違っています。 また、EMI盤の方が運指が正確な事も分かります(^^) 確かに凄いの一言に尽きる演奏ですが、私のもつショパンの曲のイメージにはグラモフォンの方が合っています。
  argerih_shopin_emi.jpg
発売日: 1999/04/09
EMIミュージック・ジャパン
CD-No.: TOCE-55034
ピアノ・ソナタ 第3番 ロ短調 作品58
01. 第1楽章: Allegro maestoso
02. 第2楽章: Scherzo; Molto Vivace
03. 第3楽章: Largo
04. 第4楽章: Finale; Presto ma non tanto

3つのマズルカ 作品59
05. マズルカ 第36番 イ短調 作品59-1
06. マズルカ 第37番 変イ長調 作品59-2
07. マズルカ 第38番 嬰ヘ短調 作品59-3

08. 夜想曲 第4番 ヘ長調 作品15-1
09. スケルツォ 第3番 嬰ハ短調 作品39
10. ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53 ≪英雄≫

尚、このCDはSACDでも再発されています。
TOGE11072 2011/05/18

op58_comparison.jpg
【図-1】
何れもピアノ・ソナタ 第3番の冒頭部分です。
上: グラモフォン盤=LPからのリップ
下: EMI盤
波形から見るとアタックそのものはむしろグラモフォン盤の方が強い
(ピークが高い)様なのですが減衰は早いことが分かります。
EMI盤は多分ダンパーが上がっているのでしょうか、響きも大きく
倍音も豊かな様です。