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【より良いLP録音手段を求めて】 [ちょっと便利なソフトたち]

【ちょっと便利なソフトたち: より良いLP録音手段を求めて】

私がLPの取り込みに使っている“ONKYO SE-U33GX”自身は 96KHz/24bit のサンプリング能力を持っていますが、紹介した「午後のコーダ」、「mp3DirectCut」共に48KHz/16bit迄の対応になっていますのである意味宝の持ち腐れ。 これについて来たソフト「DigiOnSound4 L.E.」は残念ながら 24bit に対応していません。 また、ユーザーインターフェースも気に入らずで使っていませんでした(^^)

で、96KHz/24bitに対応した録音ソフトはないか、ちょっと調べてみました。

そこで引っ掛かって来たのが「SoundEngine Free」というソフトです(現行Ver.4.60)。 只、作成されるファイルはWaveファイルなので、MP3に変換してやらねばなりません。 2度のデジタル変換フェーズを通るのでどうかという所はあります。 このソフトは色々な効果を付ける事が出来るので音を弄る方には面白いかも。

わたしの環境はチップセットのビデオを使っているせいか CPU は E8500 なのに波形表示がカクカクしたり、マウス操作時におかしな動作や音が出たり、96KHz/24bitで録音しようとするとスタートボタンを押した途端ch2側にノイズが乗りっ放しになったりといった事があります。 どうもマウス・クリックの取り込みになにかバグがある様でここで音が出るとこれが繰り返しノイズになってしまっているのではないかと思われます。
この異常動作の確率の方が高いのがちょっとですが(^^)

《録音画面》
recording.jpg
《再生画面》
playing.jpg
《不要部分カット操作》
deletion.jpg
Waveファイル上で不要部のカットが出来てしまうので、レコード1枚ベタでよければこのソフトだけで完結出来ますね~

さて、このソフトのVUメーターのクリップホールドの値によると、私の “SL-1200mk3/SHURE V-15 TYPEⅢ-> SE-U33GX -> PC(SE-U33GX ドライバ)”と言う録音系の S/N比は -69dB 位ある様です。(録音開始から針を落とす迄の無音部の表示から)
しかし、レコードに針を落としてからのリードイン部分ではスクラッチ・ノイズのせいもあり、-21.6/-17.6dB 、やっぱり静電気とゴミをなんとかしなければですね。

このソフトを使って「中村紘子 ショパン・リサイタル」を拾ってみましたが、録音タブの設定を信じるならば 24bit/96KHz での録音が出来、録音時間49分丁度でファイル容量は1654MB! mp3infpの返すオーディオ情報は “Microsoft PCM, 24bit,96000Hz,4608Kbps”となっています。 まず原音とは殆ど聴き分けがつかない音ですね。

只、このファイル容量ではちょっとそのまま残しておく訳にはですね。 とするとこんどは WAVE => MP3 の変換ソフトが必要になってきます。
これには「Lame Ivy Frontend Encoder」があり、Lame のフロントエンドプロセッサになっていまので、これを使ってMP3に変換してやる事が出来ます。 このソフトは“DOS窓<コマンドプロンプト>”を使って Lame を直に制御し 24bit/96KHz から 直に指定したビットレートに変換しており、この進捗の様子が黒い“DOS窓”の中で確認出来ます。

96KHz/24bitを生かしてMP3化をする場合は、「SoundEngine Free」=>Wave File=>「Lame Ivy Frontend Encoder」=>MP3 File=>「mp3DirectCut」=>曲単位に分割したMP3 File という流れになりますが、再生時の互換性を確保してMP3化しようとすると44.1KHz/16bit-320kbpsが最高品質なのでこれまでダウングレードせざるを得ません。 ただ、MP3化の入力が 96KHz/24bit になりますからより高品位の音になる可能性を持っていますね。

でも、直接MP3に出力出来ればより楽・・・で、探してみたらそんな方法がありました。

《VBMP3.DLL/GOGO.DLL を使ってMP3入・出力を可能にする方法》

VBMP3.DLL (入力側)と GOGO.DLL (出力側)をこのソフトのルートフォルダに入れてやるとMP3の読み込み、書き出しに対応出来る様です。 但し、入力側は内部ではWAVE変換を行っていますから音質劣化を起します。 出力側も当然・・・
ネット上では3種の方法が解説されていますが、私の環境では残念ながら何れも駄目でしたので未確認です。 多分、エンコーダのコマンド・ラインを入力してやればよいのでしょうが・・・・
私としては出力側さえ出来ればよいので、Lame でチャレンジしてみる事にしました。

《Lame.exe を使ってMP3出力を可能にする方法》

1.Lame Encoder を入手、解凍したルートにある
  Lame.exe と Lame_enc.dll を SoundEngine
   Free のルートにコピーする。
2.MP3用のLame コマンドラインパラメータを
  作り、デフォルトのファイル定義ファイルの後に
  追加する。

  <コマンドライン>タブを押し、ライブラリの枠の
  矢印を押して“Audio Converter”を選択し、
  <メモ帳>ボタンを押してこれを開き、編集・保存
  する。

これだけでお仕舞いです。

☆ 私の作ったサンプルですが、例えばこれを1行
  空けた後に追加すればMP3の出力が可能となる。
  サンプルには以下の5種の出力を指定している。

  128Kbps/44.1KHz/Joint-Stereo
  192Kbps/44.1KHz/Joint-Stereo
  192Kbps/48KHz/Joint-Stereo
  320Kbps/44.1KHz/Joint-Stereo
  320Kbps/48KHz/Joint-Stereo
  VBR/44.1KHz/Joint-Stereo
commandline.jpg
  音質的には最後のVBRが一番良いでしょうね。

コマンドライン・パラメータの詳細はLame のHPのUsage of LAME を参照してください。

《紹介したソフト入手先》

SoundEngine Free
Lame Ivy Frontend Encoder

《MP3出力結果の検証》

《中村紘子 ショパン・リサイタル》を拾った96KHz/24bitのWAVEファイルから“Lame"を使ってMP3へ直接変換したファイルの検証をしてみました。
劣化が起きるのは致し方ありませんが、MP3からもう一度WAVEファイルに変換して“WinSpectra”で波形の確認を行いました。 只、このソフトが96KHz/24bitに対応していませんので、元のWAVEファイルの波形は確認出来ませんでした。

ここで分かった“Lame”の圧縮動作の基本は、
☆ CBR(固定圧縮)ではフレームの情報がオーバーフローする場合
  一つ下のリミットでフィルタする様だ。
☆ 44.1KHzと48KHzは僅かな波形差はあるがファイルサイズは
  同じだった。
☆ 128Kbpsでは16KHzでカットされていること。
☆ 192Kbpsでは18KHzでカットされていること。
☆ 320Kbpsでも20kHzでカットしていること。
☆ VBR V0では周波数はそのまま出していること。
  圧縮レベルは指定した上限側迄を使い、夫々のフレームが必要と
  する圧縮レベルに分散させている。
  逆に云えばこれが最も高品位なMP3と云える。
  ファイルサイズもCBR-320Kbpsよりも小さいので容量的にも
  優位にある。

以下のサンプルは冒頭部約50秒弱です。
元々のWAVEファイルは 1654MB あります。
これをMP3にした場合のサイズも以下に併記してあります。


・ 128kbps/48kHzの場合 (45,947Kbyte)

cbr_128-48.jpg
・ 192kbps/44.1KHzの場合(68,920Kbyte)

cbr_192-44.jpg
・ 192Kbps/48KHzの場合(68,920Kbyte)

cbr_192-48.jpg
・ 320Kbps/48KHzの場合(114,867Kbyte)

cbr_320-48.jpg
・ VBR V0(最高品位)の場合(84,870Kbyte)

vbr_V0.jpg
 これが今手にする事が出来る最高品質のMP3ではないでしょうか。 一般的には96KHz/24bitのPCMをソースにするものは余りないでしょうから。


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