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BGM: メータ / リスト名演集 [睡夢庵のBGM]

【BGM: メータ / リスト名演集 】

今日はズービン・メータ指揮/ロスアンジェルス・フィルによる《リスト名演集》。
これはリストの交響詩《フン族の戦い》、《オルフェウス》、《マゼッパ》の3曲が入っています。 交響詩というジャンルはリストが確立したとされ、13曲を作曲していますが、其の中で3作目の《前奏曲》以外は現在余り取り上げられる事がない様です。 わたしは標題交響曲、交響詩のジャンルは好きな処でしたので、リストの3曲が入っているこれを見つけたときには飛びついてしまいました。

『ズービン・メータ』(Zubin Mehta, 1936/04/29-)、インド・ボンベイ出身の指揮者。 ペルシャ系の祖先を持つゾロアスター教徒の家庭に生まれる。 父親のメーリ・メータは地元ボンベイ交響楽団の指揮者を務めていた。 1954年ウィーン国立音楽大学に留学、指揮法をハンス・スワロフスキーに学ぶ。 1958年リバプールで行われた指揮者の国際コンクールで優勝し一躍注目を浴び、1959年にはウィーン・フィル、ベルリン・フィル、イスラエル・フィルを指揮し、指揮者としてデビュー、成功を収める。 1961-7年モントリオール交響楽団、1962-78年ロスアンジェルス・フィルの音楽監督を務める。 1979-91年の間はニューヨーク・フィルハーモニックの音楽監督を務めていた。 そのレパートリーは膨大でその演奏は雄大かつ芳醇と評される。

『フランツ・リスト』(Franz Liszt, 1811/10/22-1886/07/31没)、オーストリア帝国内のハンガリー王国のライディング(現オーストリア・ブルゲンラント州)のオーストリア系ハンガリー人の家庭に生まれる。 父親の手引きで幼少から音楽に才能を現し、10歳になる前に既に公開演奏会を開いていた。 1822年にウィーンに移住、ウィーン音楽院でカール・シェルニー、アントニオ・サリエリに師事する。 1823年にはパリへ移り、パリ音楽院へ入学しようとしたが外国人を理由に入学を拒否され、フェルディナンド・パエール/アントン・ライヒャに師事する。
1827年には父親が死去、僅か15歳でピアノ教師として家計を支えることになる。 1831年ニコロ・パガニーニの演奏を聴き、自らも超絶技巧派を目指す。 ピアニストとして当時はアイドル的存在であり、多くの浮名を流している。 特にマリー・ダーク伯爵夫人と恋に落ち、1835年から10年間スイスで同棲生活を送り、3人の子をもうけている。 その内の一人が後にハンス・フォン・ビューロー、リヒャルト・ワーグナーの妻となるコジマである。 マリーとの別れも当時「リストマニア」と呼ばた熱狂的女性ファンとの情事が原因である。 1947年には演奏旅行と途上のキエフで同地の大地主であったカロリーネ・フォン・ザイン=ヴィトゲンシュタイン公爵夫人と恋に落ち、またもや同棲(^^;)する。 1848年にはヴァイマルの宮廷楽長に招かれ、同地で作曲に専念する事になる。 1859年宮廷楽長を辞任、1891年にローマへ移住し、僧籍に入る。 これ以降はキリスト教に題材を求めたものが増加する。 1886年バイロイド音楽祭でワーグナーの楽劇《トリスタンとイゾルデ》を見た後、慢性気道閉塞と心筋梗塞で死去、娘コジマの希望によりバイロイトの墓地に埋葬される。
ピアニストとしてのリストは超絶的技巧を持つ当時最高のピアニストであり、「ピアノの魔術師」と呼ばれていた。 また、どんな曲も初見で弾き熟したと言われ、その死後100年を経ても未だに彼を超えるピアニストは現れていない。 幼少時から指を伸ばす訓練をし、10度の音程も軽々と押さえられたと言われ、彼の曲には両手を広げての4オクターブの音が多用され、早いパッセージでも音符の多い和音を多用している。 只、初見で弾き熟せる技巧を持つが故に、譜面にない即興を盛り込む為、フェリクス・メンデルスゾーンの手紙では自身のピアノ協奏曲の初版を持って訪れた際、その演奏を聴き、「人生最高の演奏だった。 彼の最高の演奏は、それで最初で最後だ」と記していた。 リスト自身演奏に関しては即興に重点を置いていたと言われる。
作曲家としてのリストはベルリオーズが提唱した標題音楽をさらに発展させた交響詩というジャンルを創設している。 彼の作曲家人生はピアニスト期(1830-50)、ヴァイマル期(1850-60)、晩年(1860-)の3期に分けて考えられている。 ピアニスト期にはオペラなどの編曲を含むピアノ曲中心、ヴァイマル期はピアノ曲もあるが過去の作品の大規模な改訂や交響曲、交響詩を作曲している。 晩年は短いが深遠な曲想のものが増える。
これ以外にもカトリック信仰に基づいた宗教合唱曲等も多く残している。
mehta_liszt_slc2271.jpg
発売日: 1972
LONDON/キングレコード
LP-No.: SLC-2271
Mehta Conducts Liszt

- SLC-2271 Side 1 -
01. 交響詩 《フン族の戦い》
02. 交響詩 《オルフェウス》

- SLC-2271 Side 2 -
01. 交響詩 《マゼッパ》

指揮: ズービン・メータ
演奏: ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団
バイオリン独奏: デイヴィド・フリッシーナ
録音場所: Royce Hall, U.C.L.A.



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