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BGM: ロベルト・シドン/ リスト ハンガリー狂詩曲全集 [睡夢庵のBGM]

【BGM: ロベルト・シドン/ リスト ハンガリー狂詩曲全集 】

今日はロベルト・シドンのピアノによる、フランツ・リストの《ハンガリー狂詩曲全集》。
全19曲の演奏時間はボーナストラックのスペイン狂詩曲を含め、約2時間35分。

リストのハンガリー狂詩曲は好きなものが多いので、全曲を揃えたくて探していたのですが、やはり一人の奏者で総てを揃える目途が立ちませんでした。 そんな時この全集が発売され、大阪・梅田の今は亡き大月楽器の何時もの店員さんに頼んで試聴させて貰い、即購入したものです。

この《ハンガリー狂詩曲》の最初の15曲は1853年に出版され、残りの4曲は1882~5年に追加されます。
リストはこの曲のテーマとしてハンガリー古来の民謡に求めますが、リストが古来と思っていたのは、その時代に作曲されロマ(ジプシー)のバンドが良く演奏していたもので、地元ではこの発表当時から勘違いを指摘されていたそうです。 ハンガリー舞曲の形式の一つヴェルブンコシュ(チャルダーシュの前身)に影響されたものになっています。 リストは作曲家である前に、当時超絶技巧を持つピアニストであった為、このピアノ版は特に演奏が難しい作品となっています。

ロベルト・シドン(1941/09/21生)は南米ブラジル・ポルトアングレ出身のピアニストですが、元々ハンガリー系移民の子孫の様です。 幼い頃からピアノの才には秀でた様ですが、一般的な教育を受け医学を学び、ブラジル陸軍の軍医士官として奉職しています。 その傍らでピアノ、作曲の勉強も続け、故郷でデビュー後、アメリカに渡りクラウディオ・アラウに師事します。 1967年にドイツに移住、1968年に至ってピアニストとして活動する決意をします。 ドイツ・グラモフォンに見出され、多くの録音を残しますが、このリストのハンガリー狂詩曲全曲をものにしたことは大きな功績とされます。 この全集やスクリャービンのピアノ・ソナタ全集をグラモフォンから委ねられた事を見ても、その音楽性を高く買われていた事が窺えます。 やはりハンガリーの血を引くせいか、リストの曲を愛しており、8歳の時に開いたリサイタルでも、ハンガリー狂詩曲 第2番を演奏しています。
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発売日: 1974
グラモフォン/テイチク
LP-No.: MG-9736/8
リスト ハンガリー狂詩曲全集
- MG-9736 Side A -
ハンガリー狂詩曲 第1番
ハンガリー狂詩曲 第2番
ハンガリー狂詩曲 第3番
- MG-9736 Side B -
ハンガリー狂詩曲 第4番
ハンガリー狂詩曲 第5番 《悲歌的な英雄の詩》
ハンガリー狂詩曲 第6番
- MG-9737 Side A -
ハンガリー狂詩曲 第7番
ハンガリー狂詩曲 第8番 《カプリッチョ》
ハンガリー狂詩曲 第9番 《ペシュトの謝肉祭》
ハンガリー狂詩曲 第10番 《前奏曲》
- MG-9737 Side B -
ハンガリー狂詩曲 第11番
ハンガリー狂詩曲 第12番
ハンガリー狂詩曲 第13番
- MG-9738 Side A -
ハンガリー狂詩曲 第14番
ハンガリー狂詩曲 第15番 《ラコッツィ行進曲》
ハンガリー狂詩曲 第16番
  《ブタペシュトにおけるムンカツィの祝賀のために》
ハンガリー狂詩曲 第17番 《フィガロのアルバムから》
- MG-9738 Side B -
ハンガリー狂詩曲 第18番
  《ブタペシュトのハンガリー博覧会に際して》
ハンガリー狂詩曲 第19番
  《コルネル・アブラニーの「高雅なチャルダッシュ」による

スペイン狂詩曲
  《スペインのフォリア》と《ホタ・アラコネーゼ》による

録音原典:
「カール・アレキサンダー大公版《フランツ・リスト作品全集》」
フランツ・リスト財団 1926年出版
録音日 : 1972年03月,05月,10月
録音場所: ミュンヘン、科学アカデミー、ブレーナー・ザール



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