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つぶやき: 福島原子力発電所事故 [睡夢庵 日々徒然]

【つぶやき: 福島原子力発電所事故】

今回の福島原子力発電所の津波による被災と電源喪失という報道を聞き、当日これから起こるであろう事象を調べ、ざっと羅列したものを作っていましたのでこれを図式化してみました。
燃料棒露出を食い止められるか又は水素爆発を防げるかが分岐点と見ましたが、翌日には悪い方に行ってしまいました。 現在の状況は残す所、炉心溶融のみ。 それ以外は既に最悪到達点に至ってしまいました。 放射能漏れのレベルはまだ致命レベルには至っていませんが、既にその直前の状態になっています。

《福島原子力発電所事故推移予測図》
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この震災に関しては批評・批判めいた記述は避け、自身のメモとしての客観的なデータだけのUPに留めようと思っていたのですが・・・

今回の事故対応、その出発点の判断から私の様なズブの素人目から見ても非常に甘かった。

冷却停止による原子炉、燃料棒保管プールで起きる冷却水蒸発・喪失に伴って燃料棒破損が起きる迄のタイムマージンは即座に計算出来、かつそれはほんの僅かな時間しか猶予はなかったはずです。 すべてのタイム・テーブルはこれに従い、対策を立案し、最低でも上図吹出しのような処置等の全てを同時並行的に実行に移さなければならなかった。 それと交代要員を含めた兵站の準備・・・

東電は11日15:41に原子力災害対策特別措置法第10条に基づく特定事象発生の通報を行っており、1号機が水素爆発を起こしたのが翌12日15:36でしたから、危険領域に入る迄に10数時間の猶予しかなかったであろうと思います。 即時自衛隊のチニークに機材を積んで飛び、原子炉建屋に穴を開けていれば・・・当然と思えるガス抜きのベントが元々建屋天井部になかった事には驚きましたが、通報後直ちにこの対処に入っていなかった事がこの事故をより悲惨なレベルに移行させた最大の原因ではないでしょうか。 水素爆発を即座に予測した人間がいなかった若しくは予測したが行動に移せなかったという事実が日本の原子力運用にとって一番の問題です。 何が最もクリティカルな問題かを東電及び保安院は把握出来ず、即座に行動に移せなかったということになるからです。

それはそうと、全国の原子力発電所に対しガス抜きと燃料棒格納プールへの緊急注水経路の設置指示は出したのでしょうか? また、もし他の原子力発電所建屋に排気弁があったとしたら、現在の原子力安全・保安院の存在意義はありませんね。 建屋標高の問題を含め、本来果たすべき機能が機能していないということですから。

その他にも。 既に2週間以上経っているのに、最も気を使わねばならない現地で処置に当たっている要員の健康管理や休養・糧食の補給や交代要員も手当てされていない様です。 椅子や床で雑魚寝で睡眠も取れないといった話が報道されましたが、これではまた起きなくてもよいトラブルが起きても不思議ではありません。
東電・保安院・政府・経済産業省、一番大事な兵站といった概念を持てた人間はいなかったのですかね~。

私自身は決して原子力発電を否定する人間ではありませんが、今回見せられた現在の政治家、原子力安全・保安院、経済産業省、電力会社の対応力の無さを見ると、日本には原子炉という「魔女」と付き合う危機管理能力なしと思わざるを得ません。 海外からの応援も同様の視点からでしょう。

《福島第一原子力発電所事故経過》

Wikipedia上に推移及び状況を整理したページが用意されていましたので以下にリンクを付けておきます。
URL: http://ja.wikipedia.org/wiki/福島第一原子力発電所事故

このページにはモニタリングポストでの放射能検知レベルの推移も掲載されています。
また、近年の国会等での津波対策の不備指摘などの記述もあります。
その他、260項目以上の情報へのリンクもありますので、詳細を知るには最も整理されたページと言えるでしょう。


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