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日々徒然: エコ替えについて [睡夢庵 日々徒然]

【日々徒然: エコ替えについて】

車や家電の購入補助も終わりを迎えましたが、もう一度「エコ替え」は本当?なのか考えてみましょう。

エネルギー消費は、ものを機能させるために使用する直接エネルギーとその製品自体の製造から輸送、販売、最終使用者の手元で使用を開始する迄と廃棄の段階で消費される間接エネルギーからなります。

ある製品についてみれば、製品の製造、輸送、販売、使用、廃棄の全段階で使用されるエネルギーの総和をライフサイクルエネルギー(LCE)といいます。

言い換えれば、新しく入れ替えた機器の使用段階の消費エネルギーが従来のものよりも少なく、且つその使用期間内で入れ替えた事による削減消費エネルギーでその製品の製造エネルギーを回収出来なければ、環境的な意味での「エコ」にはならないと言えるのです。 これに加えて削減されたエネルギーコストで取得価格を回収出来ればベストですね。

では家庭生活におけるライフサイクルエネルギー消費の割合はというと
<以下第9回SCE・Net環境研究会資料 2008/02/15 より引用>

1. 46% 住生活(家屋・電気・ガス・水道・電気製品etc)
2. 19% 自動車(車・ガソリンetc)
3. 19% 食生活
4.  7% 衣生活
5.  3% 衣・食・住共通
6.  3% 情報機器
7.  2% 医療・新聞・書籍etc
8.  1% 廃棄物処理     となっているそうです。

直接/間接エネルギーの比率は
・ 衣生活  1:7
・ 食生活  1:2
・ 住生活  4:1  圧倒的に直接エネルギーが大きい!

家庭でのエネルギー消費は、住生活・自動車・食生活でその84%を占めています。 また、各人が努力して削減できる分野もここにしかありません。 この中では電気及び石油関連でのエネルギー消費が大きいので、「太陽光発電」への移行は最も大きく「エコ」に貢献します。
只、私が家を新築する際試算した限りでは、残念ながら太陽光発電設置に掛かるコストを売電を含めての電気エネルギーコスト削減ではその製品寿命間に回収出来る目途は立たず、採用には至りませんでした。

では、製品別の製造エネルギーと消費エネルギーの割合はどの様に試算されているか
機   器単位10Mcal
製造エネルギー
消費エネルギー/年
・ 電気ストーブ3.197.2
・ エアコン93.7326.7
・ 電子レンジ17.824.4
・ 炊飯ジャー3.627.0
・ 冷蔵庫80.978.4
・ 電気ポット4.164.8
・ 洗濯機27.013.6
・ 掃除機9.85.5
・ テレビ24.032.4
・ ノートパソコン(20W)20.90.4
・ ガス湯沸し器27.1149.6
・ 石油ファンヒーター8.8132.0


電気製品や石油・ガス器具では年間の消費エネルギーが製造エネルギーを上回る製品が多いので、消費電力等が小さなものが出れば買い替えは「エコ」に繋がる事が分かります。

では、自動車はどうか

ライフサイクル投入エネルギー前提条件
原材料製造段階1458エンジン1800cc ガソリンエンジン
加工組立段階648車体重量1230kg
使用段階6506燃費12.9km/l
廃棄段階9走行距離100,000km/10年
合計8361平均乗車人員110kg(2名)


上の燃費は1800ccにしては良すぎる様に思いますが(^^)これから逆算するとガソリン1lのカロリー数は

65,060,000 / 100,000 * 12.9 = 8392.74kcal

では、一時TVのCMなどで言われていた「エコ替え」、車を新しく買い換えた場合、果たして製造エネルギーを回収出来るのか?

上記のデータにある様に、自動車の製造エネルギー等使用者に渡るまでに消費されるエネルギーは21060Mcal と試算されています。 またガソリン1リットル当たりの消費エネルギーは 8393kcal と換算することが出来ます。

では、わたしが5年前に行った「エコ替え」はどうかというと

       燃費
LARGO   7.4km/l
FIT    13.4km/l     走行距離はいずれも 12,000km/年 とすると
燃費向上率  181%       燃費は8割向上しています。

LARGOの年間消費エネルギーは 12,000 / 7.4 * 8393 = 13610270kcal
FIT              12,000 / 13.4 * 8393 = 7516119kcal
                 年間削減消費エネルギー  6094151kcal

製品取得に掛かる総生産エネルギー 21060000 / 6094151 = 3.45 ですので、3年5ヶ月で製造エネルギーが回収出来る事になります。

逆に言えば、8割燃費が向上する様な車に乗り換えてこの程度なのですから、1~2割程度の燃費向上ではエコにはならないことがお分かり頂けると思います。 それよりも、「エコ運転」を心掛けられるほうがよほど貢献するということになるでしょう。



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