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現在の新型コロナウイルスは6月初旬迄のものと異なる? [睡夢庵 日々徒然]

【 現在の新型コロナウイルスは6月初旬迄のものと異なる? 】

☆ レコードチャイナ より

・ 日本の新型コロナに塩基変異、危険か?―中国メディア
  人民網日本語版           2020/08/10 16:00

☆ 読売新聞デジタル より

・  新タイプの遺伝子配列、ウイルス6月に出現…東京から地方へ拡散
                    2020/08/08 19:14

URL : https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200808-OYT1T50126/

元ネタは 2020/08/05公開の NIID 国立感染症研究所 ゲノム研究報告書

・ 新型コロナウイルスSARS-CoV-2のゲノム分子疫学調査2 (2020/7/16現在)

URL : https://www.niid.go.jp/niid/ja/basic-science/467-genome/9787-genome-2020-2.html
PDF : https://www.niid.go.jp/niid/images/research_info/genome-2020_SARS-CoV-MolecularEpidemiology_2.pdf

2019年末に中国・武漢を発端として拡散した新型コロナウイルス(SARS-CoV-2=COVID-19)は2020年1月から2月にかけて国内に侵入したが、これに続いて欧州を起源とする型が3月下旬~5月初旬迄全国に感染が拡大し、第一波として緊急事態宣言が発令され、その結果5月下旬には収束局面に入っていました。
ところが緊急事態宣言の解除と時を同じくして東京で蠢動を始め、6月初旬以降東京を核に急速に感染者を増やし、約2週間の遅れで地方主要都市から感染が広まり始め、あっという間に第一波を超える感染者を出す事態になっています。

この報告書によると現在の状況は

・ 1月初旬に中国・武漢に端を発したウイルスは既に消失している
・ 2月ダイヤモンドプリンセスを発端にするウイルスもすでに消失している
・ 3月下旬以降欧州系統のウイルスによるクラスターが多発
  4月上旬以降には東京圏出張を起点にした大規模クラスターが出現した
・ 地方固有クラスター(欧州系統から1~2塩基変異)は現場努力で
  5月下旬までに徐々に収束に向かった

・ 6月上旬から徐々に感染者が増加に転じ東京都を中心にクラスタが多発
・ 6月下旬以降の型は初期欧州型から6塩基変異をしたものになっている

1か月2塩基変異という変異速度とみれば第一波のウイルスの変異型という事だが、この間を繋ぐ配列を持つクラスターが確認されていないらしい。

これはちょっと嫌な臭いがしますね。 無症状感染者からの感染過程での変異から感染力・毒性が強い(初期型よりは弱毒?)変異型が生まれたという可能性が強いですから・・・

現在の日本における関連の評価数値は

・ 10万人当たりの感染者    38人
・ 10万人当たりの死亡者     0.829人
・ 致死率(死亡者/感染者総数)   2.18%

・ 空港検疫での陽性率       0.49%
・ 同     有症状率      2.66%

空港検疫での有症状率からすると総検査人数に対する有症状率は僅か0.013%に過ぎない事になります。 これは1万人検査しても症状のある患者は1人!!しかいないという事。
逆に言えば100人の有症状患者が出れば、3650人の無症状患者が背後にいる訳です。 それだけ多くの保菌者が徘徊しているという事になります。

抗体検査をすると日本はまだまだ少ないですがそれでも~6%位迄の値が出ているようです。 ただ、中国・韓国製の抗体検査キットは至る所で信頼度・特異度共に低いとして突っ返されている様ですから、キットによって1桁違うのも・・・

このレポートをみるとやはり6月下旬に関東圏へ/からの出勤・出張を禁止する位の処置だけでも取らなければ第二波を避ける事が出来なかった事が見えて来ます。
やはり国・都が一緒になって感染状況を無視し一絡げに解除したのが大間違い。 東京だけは何らかの対策を継続すべきだった。

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☆ 読売新聞オンライン より

・ どのぐらい重症化するの?…「重篤な肺炎」日本は4・7%
                    2020/08/12 05:00

URL : https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200812-OYT1T50084/

新型コロナウイルスによる重症化率について約2割と言われてきたが、これは「中国疾病対策センター」が中国国内の2月11日までに確定診断を受けた4万4672人の内、呼吸困難等の「重症」と呼吸不全や敗血症性ショックなどの「重篤」は2割未満で8割以上は軽症と報告した事が根拠になっているようだ。

日本では国立感染症研究所が7月29日迄の感染者2万5873人を分析した結果、「重篤な肺炎」という届け出があったのは4.7%(1216人)としている。
ただし、重症度の定義が各国で異なる為、この数字を同列には出来ない。

日本では厚生労働省が医療従事者向けに作った診療の手引きでは下記の4段階に分類している。
・ 重症    集中治療室に入室または人口呼吸器が必要なレベル
・ 中等症2  呼吸不全があり酸素投与が必要
・ 中等症1  呼吸不全はないが息切れ、肺炎所見あり
・ 軽症    咳のみで息切れはない

中国での「重篤」は中等症2以上に当たると思われるので同列には評価出来ないが、それでも中国よりは重篤化率は低いようだ。

尚、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会で7月末に示された資料では、感染者2万5948人の2割以下にとどまる70歳以上が、全体の死者982人の8割以上を占めていると報告されている。


・  化学メーカーのデンカ、抗原検査キット販売へ…約15分で判定可能
                    2020/08/11 19:25

URL : https://www.yomiuri.co.jp/medical/20200811-OYT1T50206/

メーカー広報資料:
URL : https://www.denka.co.jp/storage/news/pdf/758/20200811_denka_quicknavi_covid19ag.pdf

デンカが試料滴下から15分程度で結果が出る「抗体検査キット」を8月13日から医療機関向けに販売を開始する様です。
また提携先の大塚製薬でも9月1日から取り扱いを開始すると報告されています。
有効期限製造から12か月、10回分セットで6万円ですから結構な値段ですね~

それと今後は海外出張等では抗体検査結果が必要になるのかもしれませんが、問題は現在の無症状感染者の率や抗体の生成率や保持期間、完全治癒の保証法が不明の現状ではこれが本当の意味での保証になるものではない事ですね。

今の所抗体検査では確認出来る事は

・ 過去に感染し抗体を保有している。(100%抗体を持つ保証はない)
・ 抗体を全く持っていない(感染から4~8日は検出力は不安定)

という事ですが、抗体が確実に検出される様になるのは感染後3~8日後からですから・・・
この検査キットの「信頼度」、「特異度」がどれくらいかという点もありますが、抗体の生成状態に関してもいろいろな報告があって・・・

多分感染直後から4日(発症平均)~8日迄は抗体が生成されていない可能性が高いので、抗体検査結果で何の保証が可能なのか私自身は疑問を持っています。

それにPCR検査に関しても、検体採取が手技による不安定な物である事や菌の増殖場所によっては感染直後から3~4日迄は陽性とならない可能性を持っています。

最終的には呼気から検出出来る物が出来れば感染後1日以降は確実に検出出来る様になるのかもしれませんが、これも無症状感染者を含め、呼気にどれくらい出てくるのかが定量化されていません。

こう考えると当面ある1時点を捉えたとしてもその時点で確実に感染していないという保証が出来る手法は存在しそうにありません(^^;)
それと病院に出向き、検査を受け、検査結果を貰うとすればその間のリスクもありますから・・・

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空港検疫捕捉感染者
20200812_空港検疫捕捉.png
死者発生県における致死率
20200812_都道府県別死亡率.png
地方別感染者数推移(3/13以降)
20200812_地域別件数推移.png
上位9県感染者累積関東7県日別感染者数
20200812_上位件数伸び.png 20200812_関東日別発生件数.png
都道府県別発生日数(6/21以降)
20200812_都道府県別発生日数.png

2020/08/10 は過去最大の感染者減。 ここ2日の状態をみるとやっと下降へ転化するか?です。
読売新聞をはじめ報道機関は今8日間で1万人増と言って騒いでいますが、正直、直前のテンポからするとよくこれで収まった、です。
かえすがえす残念なのは関東圏の緊急事態宣言の解除を一律に行った事ですね。 すべての震源である東京都は1週間は遅らせるべきだった。

それともう1点は6月27~30日、直近1週間の10万人当たりの感染者数が厚生労働省が基準として示した数字を既に東京/埼玉が超え、増加傾向を示しているにも関わらず何の対応もしなかった事ですね。
遅くとも6月30日東京/神奈川/埼玉/千葉の4県全てで超えた時点で何らかの緊急対策を採るべきだった。 ここで、関東圏へ/からの出張停止や関東圏でのイベントへの県外からの参加禁止を指示していれば今回の第二波は遣り過せたはずです。
こうしていれば感染者は3万人以上、死者も100人以上少なくて済んでいたのではないでしょうかね。
このタイミングは素人でもリミットと思う所でしたし、増加局面というシビアに見なければならない時に複数の因子の充足を待ったというのは完全な行政上のミスと言って良いはずです。

まぁ、今回ももぐら叩きの効果は出ている様ですが、やはり自主規制が一番か?(^^;)
しかし、海や観光地等ではやはり撥ねっ返りが問題を起こしている様です。


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