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新型コロナウイルス検査キットについて [睡夢庵 日々徒然]

【 新型コロナウイルス検査キットについて 】

ここのところ新型コロナウイルスの検査キットや新しい検査方式、抗体検査キット等か発表されていますのでちょっとご紹介。

やっと30分未満で検査出来、PCR検査並みの検査精度を持つウイルス検査キットが出て来た様です。 ただ、販売可能レベル迄来ているのは現在のPCR検査装置を使う検査薬のキットで唾液などにも対応するというものですね。

そうそう、18日の日経バイオテクのページにFDA(アメリカ食品医薬品局)が 2020/05/08 自己採取の唾液を検体とするCOVID-19のPCR検査にEUA(緊急使用許可)を適用したと発表したという記事が載っていました。 PCR検査の精度と実施範囲の拡大、処理速度の向上を狙えば当然ここに行き着く事になります。

URL : https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/20/05/15/06930/

日本でも新しい方式の検査法が模索され形を成しつつありますので、ここでちょこっと・・・

東京医科大学と日本大学の共同研究結果である「SATIC法」による物が実用レベルになり、承認されると現場の負荷もリスクも大幅に低減出来ますので早い実用化が望まれます。

☆ 2020/05/13 富士レビオ株式会社  抗体検査キット

  富士レビオ株式会社のエスプライン・シリーズの SARS-CoV-2 の製造販売
  承認申請が通った様です。
  これは30分未満で現場でなんの別装備も必要としない抗体検査キット
  ですので、これで検定率が高ければいいのですが、感染初期の真性陽性
  捕捉率はどうも現在は半分位の確率の様ですので、これだけでの感染
  判定は出来ない点が残念ですね。
  方式がイムノクロマト法のせいもあるでしょうが、真性陽性に対しては
  7~9割、真性陰性に対してはほぼ100%という事で精度が今一、
  承認の有効期限は「暫定的」という事で販売開始後に長期安定性試験を
  求められていますが、これでもう少し精度が上がれば検査手順が単純です
  のでよいのですが・・・

 - 富士レビオ 製品情報ページ
   URL : https://www.fujirebio.co.jp/products/espline/sars-cov-2/index.html

 - 厚生労働省 承認資料
   URL : https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000629734.pdf

  同じ抗体検査キットはこの他にも韓国の SD BIOSENSOR 社のものも販売
  される様です。

 * クスリネットでも常時在庫ではないようですが、中国、オーストラリア
   製などを取り扱っている様ですが、いずれにせよどれも個人には販売
   していませんし、過去感染していない事が確定出来るだけですので、
   疫学的調査目的以外は余り意味がない様な気がします。

☆ 2020/05/14 東京医科大学と日本大学が新しい検査方式実用化に目途?
                       PCR検査代替方式

  上記が目視で容易かつ迅速に診断出来る方法を開発したという記事も
  出ています。

  この検査法(SATIC法)ではPCR検査の様な手動の前置処理が
  要らず、20~25分で結果が出るという事です。
  一応臨床検体での確認試験迄は行われている様ですから、この商品化
  (キット化)が出来れば、検体分配用具と温度管理恒温ボックスが
  要りますが、検査判定用機器は不要ですから現場で結果が出せる様に
  なります。
  これが可能になれば運搬や増殖操作等多くの無駄な作業と時間が
  削られますから一時も早く実用化を願うばかりですね。
  検査状態では菌が無害化されているのであれば、負圧ボックスや
  クリーンベンチも不要になりますからどこにでも出張出来ますが・・・

URL : https://www.tokyo-med.ac.jp/news/media/docs/20200514pressrelease.pdf

☆ 2020/05/26  唾液での検査結果が従来と同等と発表 PCR検査手法

  島津製作所が販売している「新型コロナウイルス検査試薬キット」を
  使って唾液での検査精度を調べた結果鼻/咽頭拭い液と遜色がない結果を
  得る事が出来たと公表した様です。
  検査精度確認は北海道大学病院が行った様で、現在入院患者の手術時の
  スクリーニング検査にも試験的に採用してもらっているとしています。
  また、このキット生産能力を30万検体分(3000キット)に引き
  上げたとしています。
  まぁ、月間ですから日量では1万検体分に過ぎませんし、未承認で
  位置付けはまだ研究用試薬なのが・・・

URL : https://www.shimadzu.co.jp/news/press/dnyo_7ubk6baumav.html

そうそう、唾液による検査について下の様な記事もありました。

☆ 新型コロナ PCR検査に適しているのは唾液かも?
  朝日新聞DIGITAL          (2020年5月28日 7時00分)

URL : https://www.asahi.com/articles/ASN5W6GW5N5WULBJ00L.html

▽ 新型コロナウイルスの唾液PCR診断
  日本医師会 COVID-19有識者会議 ホームページ
  記者: 豊嶋 崇徳 北海道大学大学院医学研究院血液内科学教室 教授

URL : https://www.covid19-jma-medical-expert-meeting.jp/topic/1609

  日本医師会 COVID-19有識者会議もそのホームページに自身の見解では
  ないとしながらもこれを記載しています。
  従来から各国で利点を含めて唾液が取り上げられていましたが、なかなか
  正式に認められる事はありませんでした。 しかし、FDAの承認や
  新しい技法が突破口になるかもです。

それにこんな宣言もでたみたいです。

“京都大学医学部附属病院では5/26より唾液による新型コロナウイルス検査を開始いたします。”

URL: https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~ict/clm/?p=302

いろいろな所が痺れを切らし始めたみたいですね。 リスクと資材不足の両方がクリアされるのですから、どちらにせよ角度100%の検査ではないので治験での数パーセントの誤差は手技による以上あって当たり前。 当然、採用しない手はありません。

臨床医?のブログだと思われますがここでも5月2日に「COVID-19:唾液PCRは妥当か?」という記事がありました。 既に自治体によっては鼻咽頭スワブの枯渇を受けて可能ならば喀痰を第一にという通達を出しているという事らしいです。 専門医の目での検証が行われていますので・・・

URL : https://pulmonary.exblog.jp/28966395/

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死者発生県における致死率
20200529_都道府県別死亡率.png
地方別感染者数推移(3/13以降)
20200529_地域別件数推移.png
上位9県感染者累積関東7県日別感染者数
20200529_上位件数伸び.png 20200529_関東日別発生件数.png


お隣の韓国も一寸怪しげな雰囲気になって来ましたね。
制限解除で羽目を外したせいで色々な所にクラスターが出始めている様です。
5月27日には1日の感染者数が79人迄増加しています。
インターネット通販大手の「クーパン」の物流センターで69人等、その他絵画教室等・・・
ソウルの繁華街・梨泰院のクラブを中心に発生した集団感染が7次感染迄広がっている事が報告されています。

日本も制限解除した途端、いや直前から北海道、神奈川、福岡の動きに嫌な物を感じていましたが、東京の動きも上昇に転じる直前の様な・・・

そうそう、報道を見ていると今も感染ルートのトレースが重視されている感じを受けますがそれは違うのでは?
それと従来通りのPCR検査適用基準のままで、現場は数が減ってホッとしているかもしれませんが・・・

現時点ではPCR検査にも余力が出ているはずですから、感染者の生活圏の接触の可能性がある人を徹底的に検査して副次感染を早く封じ込める事に重点を置くべきでは?

本来であれば手綱の緒を引き締めて可能な限りスクリーニングする努力を怠ったら今迄の苦労が水泡に帰す恐れが大なのですが、医療崩壊すれすれまで行ったのはメディアがPCR検査がすくないと煽ったせいだ等という輩が現れている様です。 まともな準備をしていなかった付けを払わされただけなのにその責任を他人に転嫁する様では・・・

感染者を捕捉すると同時にその人の家族、接触の可能性のある友人、会社関係者・・・

例えば       治療中 前1週間
5/25-5/26 検査人数 患者数 感染者数 26日新規 治癒確認 トレース
北海道   213人   238  46名   9名   1/6=34  4人/1人
東京    197人・・・

止め、止め、思った通り推定される感染者1人当たりのトレース数が増えていません。 これでは・・・
最近は手術前に検査を行うなど周辺での検査量も増えているはずですので、より少ない・・・

無症状感染者の感染力も殆ど変わらない様ですので、これからはこれを如何に多く捕捉するかに掛かってきます。
それに人と人の接触機会が大幅に高まっているのですから、「緊急事態宣言」中と同じレベルのスクリーニングでは必ず感染は拡大します。
従来の様に患者のたらい回しや検査拒否をやっていたら下手をすれば元の木阿弥になりかねません。

各都道府県の検査数の低下を見ると言わせて貰えば感染者数の減少を良い切っ掛けに手抜きを始めたのではないかとさえ言いたくなるザマです。

案の定ではありませんが、28日の感染者数65人ですか? 倍加、北海道、東京、神奈川、福岡そして山梨。

北海道は岩見沢の美容院、東京は「武蔵野中央病院」、感染者の内これまでの感染者の濃厚接触者が半数というのは明らかに検査の母数が少な過ぎる現れと捉えるべき数値、福岡は「門司メディカルセンター」、「北九州総合病院」のスタッフ、患者が県下21人中11人・・・

北九州市は過去にも病院でのクラスターを発生させています。 「門司メディカルセンター」9人、「北九州総合病院」4人と救急隊員1名が共に緊急搬送各1名からの感染の様ですが、現在緊急外来を持つ病院が最も注意すべき点がこの緊急入院患者の扱いのはずで、この失敗事例が既に報告されているのに又やってしまうとは、一体どういう対処をしていたのでしょうか。 しかも、双方共に60/80代、症状も重篤化し易いという事は菌も体内で増殖し易い事と同意ですから感染力も強い事は既に周知の事実。 外傷か脳、心臓系以外は受け入れ段階から別扱いになっているはずなのですが・・・

それと山梨、静岡でポコポコ出始めたのも気になりますね。 また、東京からの拡散が始まった恐れがありますから。

それにしてもPCR検査余力をすべて直近の感染者の生活範囲にまで拡大しなかった様なのが大いに悔やまれます。

北九州市の場合、半数が感染経路不明の上居住地域も分散しているという話です。 北九州市は前回の院内感染の余波が静まった4月30日から5月22日迄患者ゼロだったのですが、23日から28日迄に43名発生しており、この内21人が経路不明。 という事は新たに持ち込まれた菌による拡大感染、どこかに重なる生活域があるはずなのですが・・・無症状保菌者が間に入るとトレース不能になるのが問題です。 なにしろ無症状保菌者の率が高過ぎる。
 現状では出た感染者の家族、特にその内の壮年以上の人間の生活圏で接近の可能性があるところを虱潰しに検査して拡散の芽を摘むしかないでしょう。
院内感染の例はいずれも60代、80代の緊急搬送患者が感染源になっています。 この周囲は特に高リスクでしょうね。 これに加えて家族内感染で児童2名、両校は休校だとか。
院内感染の元となった患者の前1週間の行動を虱潰しが良いのでしょうが、救急搬送で多数のスタッフが関わるレベルだと情報が取れていないかも・・・

一時は家族でも直接接触者以外は検査対象外にされていたみたいですが、こんな状況が今も続いているとすれば感染の急速拡大も有り得ない事ではありません。
無症状感染者の割合が6割以上にも拘わらず以前のような条件付きでPCR検査を行っていたのでは、どこで顕在化するか予測不能という事態に既になっているのかもしれません。

アメリカの現状がひょっとしたらそれに当たるのかも。 季節性インフルエンザとして扱われていた時期がありましたから、潜在性の患者は日本どころではなかったはずです。 抗体保有者が20%を超える所もあったとか・・・ で、ウイルスの存在が明らかになり特定する為の検査を始めたものの最早幾ら大量検査を行ったとしても意味をなさない状態になっていたのが現状だとすれば。
無症状保菌者の中で時限爆弾が破裂する様に感染力、毒性を増した物が生まれるとすれば最早手はありません。

韓国の例でも僅かの間に7次以上のレベル迄感染が進んでいますので、感染能力を獲得する迄の時間も1日以下の可能性が高いのでこれから先が思いやられます。

そうそう、武漢で全人口の検査を1週間でという話がありましたが、遣って退けた様です。 担当した人たちは悲鳴を上げていた(^^;) そのやり方が中国人らしい荒っぽさですが考え様によっては非常に合理的です。 20人分の検体を1つに纏めで検査し、もし陽性が出ればその群だけ個別検査をするという方法を採った様ですね。 陽性率が絶対的に低いわけですから、混合しても検出出来るのであればこの方法は考慮する価値ありです。

日本でも怪しい場所を唾液でこの方法を使って絨毯爆撃の様にスクリーニングしていくのもよいかもです。


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