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感染/死亡リスク比較 [睡夢庵 日々徒然]

【 感染/死亡リスク比較 】

新型コロナウイルスへの感染者数、死亡者数等は色々な所で数字が出ていますが、総人口当たりであるとか人口密度等を基準にしたものは余り見かけません。
そこで人口当たりの感染率、死亡率と人口密度(可住地)をベースとしてリスクを見てみる事にしました。
ここでいう可住地人口密度とは国土面積から林野面積(森林面積+草生地面積+主要湖沼面積(1㎢以上))を引いたものです。
なので一般的人口密度よりも実際に近い値になっているはず。 単位は ㎢
以下は可住地人口密度がネット上で拾えたものを対象にしてみたものです。

可住地   リスク   
 国名    人口     感染率  死亡率 人口密度 感染  死亡 
アメリカ331,002,6510.306%0.0176%51.659.293.417
スペイン46,754,7780.496%0.0510%33814.691.507
イタリア60,461,8260.333%0.0453%29711.221.524
フランス65,276,5110.259%0.0357%16116.092.220
イギリス67,886,0110.239%0.0320%2898.281.108
ドイツ84,339,0670.191%0.0075%3465.520.218
カナダ37,742,1540.136%0.0079%5.6242.0114.114
スウェーデン10,099,2650.194%0.0233%7226.983.239
日本126,476,4610.011%0.0003%11090.100.003
韓国51,269,1850.021%0.0005%13830.150.003
オーストラリア25,499,8840.026%0.0003%3.477.801.027

リスクとした数値は感染率・死亡率を可住地人口密度で割った数値の E+6 ですので数字自体は特段の意味はありませんが、他とのラフな比較にはなるでしょう。
いま「ソーシャル・ディスタンシング(身体的な距離の確保)」という言葉が多用されていますが、可住地人口密度が低ければ、特定領域さえ避ければ保菌者と出会う確率は極端にさがるはずです。
例えば米国や豪州等は車社会、移動・買い物は車、食料品も1週間分買い溜めが多い事を考えれば、通常の生活範囲ならば日本などと比べればリスクは遥かに低いはずが・・・
処が今現在日本で生活するのとカナダで生活するのでは感染のリスクは2420倍、感染して死亡するリスクは14倍とか、米国ならば60/3.4倍とか(^^;)・・・

本当にそうか~ぁ?(^^;)

まぁ、日本で大人しく巣籠していれば感染リスクも死亡リスクもほぼ無いと考えて差し支えなしという事は紛れもない事実でしょうね。

死者発生県における致死率
20200501_都道府県別死亡率.png
地方別感染者数推移(3/13以降)
20200501_地域別件数推移.png
上位9県感染者累積関東7県日別感染者数
20200501_上位件数伸び.png 20200501_関東日別発生件数.png

20200430_PCR検査尤度.png
上位9県感染者累積を見ると東京/神奈川/大阪/北海道に関しては下降状態が維持できるところには至っていない事がはっきりと見えます。 北海道に関しては寧ろ上昇に転じようとしている状態です。 他もまだ状況を維持出来るとまではいっていませんから、現状ではとても解除は無理な状態といっていいでしょう。 中部も日本海側が様子がはっきりしませんし、関東は下手をすると100人/日以上で高止まりし兼ねない・・・
関東7県の動きは3週間連続して右肩下がりで来ていますがこれがどのレベルで下がり止まりになるかが問題です。

左は厚生労働省が公表している都道府県別のPCR検査実施数から感染者1名当たり何件の検査が行われたかを算出してみたものです。
島根県が異様に突出しているのは感染者は3名にも関わらず986件の検査を行っているせいです。
東京は話にならない程低く2.79、これは4月5日迄の累積ですからこの数値ですが、前回お知らせしたとおり、現時点では2を切っているのが実態でこれでは2次/3次の感染者を拡散前に捕捉する事は出来ません。 ですから、東京圏では本当は都市封鎖をしなければ短期間での収束は不可能な状況にあると言えます。



それと一番の問題はPCR検査能力というか実施効率が悪過ぎる事でしょうか。 即日実施遅くとも翌日午前中結果が出るという状態が維持出来る様にならなければ、人為的に抑え込むのは不可能です。

現時点では症状捕捉から検査迄に1日以上、結果が出るのに2日から3日とすれば患者が隔離される迄に
・ 平均潜伏期         4日
・ 病院に行く迄    1から10日 平均4日
・ 診察から検体取得迄     2日
・ 検査結果が出る迄      2日
・ 入院する迄         1日 合計13日 掛かっている見当。

このウイルスの最長発症時期は12日程度で8日以降の感染力は落ちる事が報告されています。 という事で感染力3とすると結果が出る迄の12日間で3名の二次感染者を生む事になります。 それぞれの二次感染者が同様に3次と鼠算式に感染者が増えます。 もし、4日目に3人の感染者を作ると仮定すると検査結果が出る12日目には48人の患者が生まれます。 最初の陽性確定時点でこのすべてを捕捉出来ねば火種を残すという事で、それが多ければ多いほど感染拡大の速度が上がるという単純な図式です。


これは感染者だけに限っていますが、本来であれば以下の4つのグループを対象に検査を続けていなければなりません。

・ 感染被疑患者

・ 家族を含む濃厚接触者
・ 同一閉空間導線を使用した人

・ 発熱外来受診患者
・ 肺炎による入院患者
・ 救急搬送患者

・ 医療従事者定期スクリーニング

これが疎かになると現在の様に患者を受け入れた病院での院内感染が常態となってしまいます。
いろいろレポートを見ていると民間検査機関を含めると実行効率は50%未満の様です。 検体の取得から検査依頼、引き取り、報告という部分が効率よく回っていない表れなのでしょう。
病院の声を聴くと同室の患者さえ検査不要として拒否され、結局感染が再発してしまったという話や同居家族にも関わらず検査条件に合致しないとして検査を拒否されたといった話が幾つも転がっています。
結局のところこれらの窓口となる保健所に対する人手や手段の手当をまともにやっていないからこうなるのでしょう。 この事態では保健所が検体の発送手配から患者の入院先手配、電話問い合わせ迄負担させられてはパンクするのは当たり前。 こういう出先は定常業務で手一杯に置かれているのが常態ですからね。

現在1桁の所は東京/神奈川/埼玉/富山/福井/石川/大阪でやはりクラスターの先で時を置いてポコポコ感染者が出ています。 これらでは積極的に2/3次感染者を炙り出して先を切る事が不可能ですから、頼りは接触遮断しか手段がないという事。

現在までの自主規制でそれなりの効果は出てはいますが、その効果は積極的に先を叩くのに比べれば遥かに低いのでまだまだ「非常事態宣言」は解除出来ません。


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