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携行機器の防塵防水規格について [睡夢庵 日々徒然]

【携行機器の防塵防水規格について】

スマホ、カメラ、無線イヤフォン等々携行機器の防塵防水規格が説明に記載される様になりましたが、その内容が毎回??
で、防塵防水に関する国際規格である「IP」(International Protection)コードの内容をちょっとメモしておく事にしました。
歳のせいですぐにあれ?って事になりますので・・・

この規格は 2003年に国際電気標準会議(IEC)で決められた機器の防塵防水に対する保護性能を示すものです。

IPに続く2桁は前が防塵、後ろが防水能力を表します。 2桁の一方がXである場合、どちらか一方だけの能力のみを示します。
双方とも特に保護を行っていない場合“0”で表記しますが、現実には規格上の上位等級の能力がある場合がありますので等級保証を行わない場合は“X”でその項の規格には拘束されない事を示します。

《防塵:外来固形物に対する保護等級》

0級 : 特に保護がなされていない。
1級 : 直径50mm以上の固形物が中に入らない。
2級 : 直径12.5mm以上の固形物が中に入らない。
3級 : 直径2.5mm以上の固形物が中に入らない。
4級 : 直径1mm以上の固形物が中に入らない。
5級 : 有害な影響が発生するほどの粉塵が中に入らない(防塵形)
6級 : 粉塵が中に入らない(耐塵形)

《防水:水の侵入に対する保護等級》

0級 : 特に保護がされていない
1級 : 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 : 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な
     影響がない(防滴II形)
3級 : 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な
     影響がない(防雨形)
4級 : あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 : あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 : あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 : 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に
     浸水することがない(防浸形)
8級 : 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)

7級迄は試験方法が規定されていますが、8級は「7級より厳しい試験」という規定なのでメーカー独自の規格になる。
一般的にいう生活防水とは4/5級相当を指し、完全防水は6級以上に相当する。

《防水のレベルを保証する為に行われるテストの内容》

試験に使用する水 : 常温の水道水
合格条件     : 試験後正常に動作する事

IPXレベル実施しているテスト内容
IPX0テスト実施なし
IPX1毎分 1mm の 流量で 10 分間の滴下に耐えられる
IPX24箇所からそれぞれ毎分 3mm の流量で2.5 分間ずつの滴下に
耐えられる
IPX3鉛直方向から、両側60°までの角度での散水に 10 分間耐えられる
IPX4全方向からの散水の飛沫に 10 分間耐えられる
IPX5内径 6.3mm の放水ノズルにて、毎分 12.5 リットルの水を
2.5 ~ 3m の位置から 3 分間以上散水しても耐えられる
IPX6内径 12.5mm の放水ノズルにて、毎分 100 リットルの水を
2.5 ~ 3m の位置から 3 分間以上散水しても耐えられる
IPX7静止した水の水深 1m に 30 分間放置しても水が浸入しない
IPX8静止した水の水深 1.5m に30分間放置しても水が浸入しない

IPX8 は試験方法が規定されていない事とレベル差がある為、メーカー独自の表記、例えば水深○○mといった表記をする事が殆ど。

(追記)

【防塵: マスクに対する規格】

粒子捕集効率で3つのクラス分けがなされる。

99.9% ・使用該当作業は放射性物質汚染の恐れがある区域内での作業
     ・ダイオキシン類への暴露の恐れがある作業
     ・その他上記に準ずる作業
95%  ・金属のヒュームが発散する作業
     ・管理濃度が0.1mg/m3以下の粉塵が発散する作業
     ・その他上記に準ずる作業
80%  ・上記2種以下の粉塵環境での作業

《粒子捕集効率試験の方法》

・ 試験粒子

種類試験素材粒状
 個体粒子用  塩化ナトリウム0.06-0.1μm
液体粒子用 フタル酸ジオクチル(DOP) 0.15-0.25μm

・ 通気流量・供給量

種類通気流量供給量
 個体粒子用  85リットル/分  100mg 
液体粒子用200mg

・ 捕集率

種類区分 粒子捕集効率 
取り換え式  RS3,RL3 常に99.9%以上
RS2,RL2常に95%以上
RS1,RL1常に80%以上
使い捨て式DS3,DL3常に99.9%以上
DS2,DL2常に95%以上
DS1,DL1常に80%以上

この他に呼吸のしやすさを保証する為、吸気抵抗試験/排気抵抗試験が行われます。