睡夢庵の眼: 最新デジタル一眼探訪 [睡夢庵の眼]
【睡夢庵の眼: 最新デジタル一眼探訪 】
普及型の一眼デジタルカメラも2400万画素の時代に入りそうな雲行きになってきましたね。 又、一寸虫が疼き始めています。
そこで各メーカーのサイトを眺め、その性格を見てみる事にしました。 わたしの場合は近視+乱視+老眼ですので背面モニターでのフレーミングは不能であり、ミラー方式ペンタプリズム型ファインダーの機種に限定されてしまいます。 また、手持ちのレンズの関係上、NikonかPentaxという事になりますが、この2社はまだ2400万画素には手を出していない様ですので、もう暫く静観することになりそうです。 あっさり諦め過ぎかとも思いますが(^^)
先週外出する機会がありましたので、ついでにカメラ屋に寄っていくつか触ってきましたので、その印象と仕様からピックアップした項目、HP上のサンプル画像の印象を記載して見たいと思います。
現在の所旅行写真以外はほとんどアップ系の写真しか撮っていません。 これは現在の画素数では遠景の風景写真では手ぶれの影響もありますが、ノーマルでは平板なものになってしまうからです。 頑丈な三脚を立ててタイマー撮影でもすれば少しはましになるのでしょうが、駆け足の旅行の途中では大仰な仕掛けは出来ませんし。
【撮像素子および画素数に関して】
《撮像素子のサイズ》
現在市販されている一眼レフ・デジタルカメラに採用されている素子の規格は凡そ以下の図の様なものです。 APS-H/C周辺にはカメラ・メーカーにより少し寸法が異なるものが採用されていますが、一般用途で考えれば、APS-Cのものが大半を占めていますので、この中からという事になるでしょう。 また、素子数が増えたから解像度が上がるという単純なものでもありません。 デジタルカメラの場合、内部で多くの補正が掛かっていますのでメーカーの補正や発色に対する考え方で全体の印象が決まってきます。 APS-Cの機種は35mm用のレンズが使えますので、周辺収差・解像度の面で35mmフルサイズよりも有利になります。
《現行機種の撮像素子および画素数》
【重量とサイズに関して】
三脚使いであれば、カメラの重量やサイズは余り問題になりませんが、歩きながら手持ちで撮りたいとなると持った時のバランスが問題になります。
中焦点迄の単焦点レンズや200mm位迄のズームであれば首に掛けていても余り苦になりませんが、それ以上ですとちょっとわたしには無理があります。 ですから、通常1台は右手の指に引っ掛ける様にして持ち、1台は左の肩に引っ掛けておくというスタイルを採っています。
今回の探訪では NIKONのD3s/D300s/D7000/D5100、CanonのEOS-1D/60D/Kiss X5、Pentax K-5/K-r、Sony α55、PanasonicのGH2/G3 に触れる事が出来ましたのでその印象を。
そうそう、下に私の手の平のサイズを記載しておきましょう。 男性としては一寸小さめかも。 +1cm大きければ私より一廻り大きい機種の方がシックリするかもしれません。
・ ハイエンドの Nikon D3系、Canon EOS-1系
レンズ重量を考えると私にはとても手持ちでは捌ける代物ではありません。 モータードライブでのタイマー連続撮影や高速連写が必要であればですが・・・ カメラ・三脚を担いで旅をする様なコアな方は別として、一般の方には三脚使いでないと無理だろうと思いを新たにしました。
・ 上級アマチュア向けの Nikon D300s
NikonのD300sは過去のD200の印象そのままといって良いかもしれません。 ~135mmズームではそれほどではありませんが、手持ちの~200mmズームに付け替えた所バランスが崩れ右手手首に左下に引っ張る様なモーメントが掛かってきます。 D80とは15mm、K10Dとは約5mmの差に過ぎませんが、眼鏡を掛けたままでファインダを覗かねばならない私にとってはブレを誘発するこれはちょっと・・・です。 ただ、タイマー連続撮影用のレリーズがこれ以上にしかないのが残念な点ですね。
・ 中級アマチュア向けの Nikon D7000、Canon 60D、Pentax K-5
D7000はD80の系統ですし、Pentax K-5はすこし小さく軽くなっていますがホールドにはさして影響は出ていない様で、シックリとなじみました。
Canonの60Dは40Dの時と同様なんとなく大きく感じますし、上部にあるメイン電子ダイヤルの操作を人差し指でするというのが引っかかります。 ボデー重心も少し前にあるのではといった印象を持ちました。
・ 入門機 Nikon D5100、Canon Kiss X5、Pentax K-r、Sony α55
このクラスのものは何れも私の手には小さ過ぎ、また300mm以上のレンズを付けるには本体側が小さく、重量が少な過ぎバランスが崩れます。 これらはメーカーのセットレンズ位の範囲で楽しむ物の様です。 動画撮影や裏画像モニターがビデオの様に可動出来るものもありますので、家族内での写真を撮るには便利でしょう。
フォーカスポイントの変更、露出測定法の変更、EV設定変更、ISO感度切替え、ホワイトバランスの調整のし易さなどが使う上で重要なポイントになりますが、これらはちょこっと扱っただけでは本当の所は分かりませんので今回は一切チェックしていません。 1台に時間を掛ける時間的余裕もなく・・・(^^;)>
速度・絞りに関しては、最近のものはISO800位~1600までは殆どざらつきが気にならない様ですので、絞り・シャッター速度合わせて4段は稼げますので、高倍率ズームでも結構な暗さの所まで手持ちで撮影が出来る様です。
また、これからは動画もひとつの選択肢になるでしょうね。 撮影時間は短いですが、レンズの暈け味の加わった画像が楽しめるでしょうし、動くものに対する撮影の尤度が上がり、画像は小さくても面白い一瞬を捉えた絵を得る事が出来ますから。
【画像解像度・発色について】
各メーカーのサイトにあるサンプル画像から解像度・シャープネス・発色を見てみました。 いずれも等倍サンプル画像がある機種についての確認で、ACDSeeというビューワソフトでiiyama E2472HD 上に表示、セルの状態が見える様に150%に拡大してキャプチャー、部分(1020*520)をフォトショップで切り出したものです。 以下の画像は幅530に縮小表示されています。 画像をクリックして頂ければ、画像ライブラリで原寸でセル状態を確認頂けます。
ここで見る内容は
・ 線のエッジの状態
- セルの形状が見えるか
- 白く飛んだ処がないか
・ 同色の面に色の濁りがないか
・ 像の周囲部分に異なる色にじみはないか
・ 白色の部分に出る偽色はないか
《現有Nikon D80》
これは睡蓮を撮ったものの部分。 WB:晴天-1、ノイズリダクション:オフ、仕上がり:標準、色合い調整:0、階調/彩度/輪郭強調:AUTO で撮ったもの。 以下のものと比べてみてもまだ耐えられそうですね(^^)
《現有Pentax K10D》
これは河を隔てて対岸の狩の後濡れた羽を乾かすオオタカを撮ったもの。 500mm手持ち夕刻だったので1/400・F9.0がやっと。 -0.3EV以外補正は一切掛かっていません。 すこし露出が足りない為黄色が被っています。 折角のシャッターチャンスでしたが、7割以上ブレで使い物にならず・・・500~700mmの手持ちで動くものを狙うのは私の腕では、でした。
以下と比べて見て思うことは、自身の腕の稚拙さ・・・手ブレを何とかせねばというのが切実ですね~。 せっかちな処も直さねば(^^;)> それにピントも。 眼鏡とファインダの補正の組み合わせなので合っているのかはっきり分からずにシャッターを押しているのが実情といった方がよいかも。 眼鏡を外してでは周りがはっきり見えず・・・
カメラ自体の進歩はまだ我慢が出来る範囲といった処でしょうか。
《Sigma SD1》
このカメラ、その撮像素子自体が大変異色です。 23.5*15.7mmというAPS-Cより少し小さなものですが、赤・青・緑の原色を3段に重ねた形の特殊なもので、単色画素数は約1500万画素強というものです。 カタログ上の4800万画素というのはその他のカメラとは少し意味合いが異なります。 一般の素子では同一平面にR/B各25%、G50%の割合で受光素子が配列されており、この総数を画素数としていますのでこの様な表現にしているのだと思います。 通常の素子は3色4点から相互補間で、4点を再現していますので、出力画像は2000万画素では例えばLarge:5919*3744となりますが、この機種では1600万画素クラスのLarge:4,704×3,136になります。 Sigma は、通常の撮像素子では各素子の面積が小さくなり、各色の失われた部分は周囲の色から補完して再現していますのでそれだけ解像度、色再現性に劣るのを嫌っているのでしょう。
この様な特殊素子ですので、当然ながら生産歩留まりも低く、価格も高いものになります。 しかし、サンプル画像を見る限り前機種に比べ、長足の進歩の跡が見られる様で少々驚きました。 シャギーはありますが、素子の性格上偽色はなく細かな処まで深みのある階調・色調で再現されています。 当然ながら解像度も高い様です。 価格コム等でのこの素子の評価は非常に高く、画質については殆どの方が最高評価を与えておられます。 645・フィルムカメラの方が満足という評価ですので、このフォビオン X3という素子がそれだけ優れているということでしょう。 ただし、システムとしては数代前の中級機なみという評価になっている様です(^^) 将来的には使って見たい機種ですね。
《Nikon D3x》
眼の部分のグレーと黒のエッジに殆ど偽色がありません。 これがNikonの白が澄んでいる理由でしょうかね。 風景の方もエッジの部分は結構シャギーがはっきりしていますが、偽色がないのでグレー部分が綺麗ですね。
《Nikon D300s》
遠景のものを取り上げましたが、1200万画素ではこれ位はっきりしない絵にしかなりません。 ただ、発色・陰影のバランスはよいのですっきりした絵にはなります。 雪壁の濃淡、白とグレー、空の対比も自然です。
《Nikon D7000》
横のラインは見えますが、シャギーの色変化は自然ですので余り気にならないでしょう。 やはりグレーから白が綺麗ですし、人肌も自然に感じますね。
《Nikon D5100》
これはちょっと吃驚です。 ほとんどエッジが気にならない。 最新機種で何かエンジンが変わったのでしょうかね~ 発色はNikonカラーそのもの。
《Canon 1Dsmk3》
カメラ側でシャープネスを2段掛けている為かエッジに白が乗ってしまっています。 それに横の素子フレームが思いの外はっきり見えるのには吃驚。
《Canon 5Dmk2》
眼にピントが入っていないですが、それでも横のフレームがみえていますし、キャノンらしく白~グレーにかけてマセンダ系の偽色が乗っています。 ポートレートには昔からキャノンが向くと言われたのはこの発色のせいですので、メーカー・カラーといってもいいでしょう。 これがニュートラル設定の様です。 確かにエッジに強調跡はありませんね。
《Canon 60D》
これは遠景のすこし露出不足部分を切り出していますのですので色被りの性質が見えてきます。 白からグレーおよび画像エッジにマセンダ系の滲みが乗っていますね。
《Canon Kiss-X5》
これは横だけでなく縦のフレームも見える様ですので暗部の多い写真では濁る可能性がある? それとやはり全体に薄くマセンダが乗っている様に感じます。 これはニュートラルの設定のせいかすこし薄め?
《Pentax K-5》
私のK10Dでは露出が不足するとグレーが濁り、全体に黄色が乗ってきます。 顔のエッジ部分の偽色を見ると黄色/緑が出ていますので、性格は変わっていないみたいです。 エッジ部分の補正斑やシャギーがはっきりしている方でしょうか。 これはファイン・シャープネスONで撮られていますので、この状態も致し方なしかもですね。
《Pentax K-r》
これはカメラ側の設定がスーパーファインになっていますのである意味致し方ないでしょうが、ベリーの周囲に白い線が浮いて来ており、明らかな補正過多。 鮮やかですが疲れる画像ですね。 無補正のサンプルがありませんでしたので・・・
《Olimpus E-5》
これはフォーサーズなので受光面積は小さいのですが、結構しっかりした画像ですね。 この写真は1.4倍のテレコンを付けて撮っている事を考えると非常にシャープな画像です。 オリンパス用のビューワソフトがありませんので、補正が行われているのかは分かりませんが、掛かっているのではと思わせる画像です(^^)
《Panasonic GH2》
Panasonicさんには悪いですが、従来から私が感じている家電メーカーの画像処理の域を出ておらず、エッジ処理が拙いのか花弁の周囲に幅を持った滲みがはっきりと出ています。 それになんとなくざらついた絵ですね。
《Panasonic G3》
これくらいの暗部でも色が濁って見えますし、すでにエッジには白い点が出ていますので補正過多といっていい絵作りで、平板に感じます。 家庭のアルバム写真用でしょうか。
Sonyのサイトの画像サンプルはAdobe Flash Playerを使ったもので実サイズのものが置いてない様です。 メーカーサイドが何の為にサンプルを置くのか理解しておられないのでしょうか。 加工したものを置いてもまったく意味がないのですがね~
上記の製品から今どれかをといわれれば、手持ちレンズを無視しても 中級機なら Nikon の D7000 、次点が Pentax K-5 です。 エントリー用であれば D5100 は抜群の画質だと思いますのでこれを選びます。
只、もうすぐ Sony の中級以上が2400万画素になりますし、そろそろ製品寿命という上級機種が多いので、この辺が出揃ってというのが正直な処でしょうか。
【その他】
その他レンズ固定式の一眼レフにも触れてみましたが、サブ・旅行用として一寸惹かれた機種がありましたので取り上げておきます。
《FujiFilm FinePix HS20EXR》 発売日: 2011/03/05
重たいレンズの携行や交換をせずに720mm迄の望遠撮影が出来、FullHDでの30フレーム動画撮影も可能な物が1kg未満、3万円で手に出来るのですからちょっとそそられませんか。 それにバッテリーが単三4本というのもいいですね。 リチュームか水素を2セット持っておけば、最悪コンビニに駆け込めば何とかなりますので、旅のお供には最適でしょう。
私の現有機Pentax K10Dと3本のレンズでカバーする範囲をこの1台でほぼすべてカバー出来るのですから・・・価格コムでもそこそこのいい評価を貰っている様です。 確かに一眼に比べると起動時間や書き込み時間が掛かるなどマイナス点はありますが、この値段でこの機能なのですからそこは我慢しなくてはでしょう。
サイトにあるサンプル画像の発色も富士らしい渋い発色、そこそこの解像度ですし、過剰な補正はない様ですのでサブには持って来い?
この写真でみるエッジの補正状態は下図の様な状態ですので、自然な補正の範囲ですね。 ピントが甘めに感じますが、素子のエッジが殆ど見えませんので強調感のない素直な絵になっています。
《Casio EX-FH25》 発売日: 2009/11/27
このカメラは速写に特化したもので、これ以外に同等機能を持った機種がないといった商品です。 発売以来だいぶ経っていますが、後を追った機種がない様です。
絞りはF2.8~F7.9迄というものですので、絞りを使った絵作りは無理ですね。 しかし、運動やレースを置きピンで撮るには最適かも。 動画は4GBというファイルサイズの制限一杯迄撮れる様です。
サイトに静止画のサンプル画像がありますので、絵作りの状態はこれで確認してください。
この写真でみるエッジの補正状態は下図の様な状態ですので、電気系メーカーのカメラにしては自然な補正の範囲ですね。
普及型の一眼デジタルカメラも2400万画素の時代に入りそうな雲行きになってきましたね。 又、一寸虫が疼き始めています。
そこで各メーカーのサイトを眺め、その性格を見てみる事にしました。 わたしの場合は近視+乱視+老眼ですので背面モニターでのフレーミングは不能であり、ミラー方式ペンタプリズム型ファインダーの機種に限定されてしまいます。 また、手持ちのレンズの関係上、NikonかPentaxという事になりますが、この2社はまだ2400万画素には手を出していない様ですので、もう暫く静観することになりそうです。 あっさり諦め過ぎかとも思いますが(^^)
先週外出する機会がありましたので、ついでにカメラ屋に寄っていくつか触ってきましたので、その印象と仕様からピックアップした項目、HP上のサンプル画像の印象を記載して見たいと思います。
現在の所旅行写真以外はほとんどアップ系の写真しか撮っていません。 これは現在の画素数では遠景の風景写真では手ぶれの影響もありますが、ノーマルでは平板なものになってしまうからです。 頑丈な三脚を立ててタイマー撮影でもすれば少しはましになるのでしょうが、駆け足の旅行の途中では大仰な仕掛けは出来ませんし。
【撮像素子および画素数に関して】
《撮像素子のサイズ》
現在市販されている一眼レフ・デジタルカメラに採用されている素子の規格は凡そ以下の図の様なものです。 APS-H/C周辺にはカメラ・メーカーにより少し寸法が異なるものが採用されていますが、一般用途で考えれば、APS-Cのものが大半を占めていますので、この中からという事になるでしょう。 また、素子数が増えたから解像度が上がるという単純なものでもありません。 デジタルカメラの場合、内部で多くの補正が掛かっていますのでメーカーの補正や発色に対する考え方で全体の印象が決まってきます。 APS-Cの機種は35mm用のレンズが使えますので、周辺収差・解像度の面で35mmフルサイズよりも有利になります。
《現行機種の撮像素子および画素数》
素子サイズ | 画素数 | 名 称(ボディ) | 発売日 | 価格下限 | レンズ |
645 | 4000万 | Pentax 645D | 2010/06/11 | ¥700,000~ | 645用 |
35mmサイズ | 2400万 | Nikon D3x | 2008/12/19 | ¥668,000~ | 35mm用 |
Sony α900 | 2008/10/23 | ¥185,000~ | |||
2000万 | Canon EOS-1Ds | 2007/11/29 | ¥615,000~ | ||
Canon EOS-5D | 2008/11/29 | ¥179,000~ | |||
1200万 | Nikon D700 | 2008/07/25 | ¥179,000~ | ||
APS-C | 4600万 | Sigma SD1 | 2011/06/10 | ¥563,000~ | 35mm用 & APS-C用 |
2400万 | Sony α77 | 2011/10/14 | ¥148,000~ | ||
Sony α65 | 2011/10/14 | ¥95,000~ | |||
1800万 | Canon 60D | 2010/09/18 | ¥67,000~ | ||
Canon Kiss X5 | 2011/03/03 | ¥57,000~ | |||
1600万 | Pentax K-5 | 2010/10/15 | ¥82,000~ | ||
Nikon D7000 | 2010/10/29 | ¥83,000~ | |||
Nikon D5100 | 2011/04/21 | ¥55,000~ | |||
Sony D55 | 2010/09/10 | ¥45,000~ | |||
1200万 | Nikon D300s | 2008/08/28 | ¥102,000~ | ||
Pentax K-r | 2010/10/07 | ¥44,000~ | |||
フォーサーズ | 1200万 | Olimpus E-5 | 2010/10/29 | ¥159,000~ | フォーサーズ |
1600万 | Panasonic GH2 | 2010/10/29 | ¥64,000~ | マイクロフォーサーズ | |
Panasonic G3 | 2011/07/08 | ¥51,000~ |
【重量とサイズに関して】
三脚使いであれば、カメラの重量やサイズは余り問題になりませんが、歩きながら手持ちで撮りたいとなると持った時のバランスが問題になります。
中焦点迄の単焦点レンズや200mm位迄のズームであれば首に掛けていても余り苦になりませんが、それ以上ですとちょっとわたしには無理があります。 ですから、通常1台は右手の指に引っ掛ける様にして持ち、1台は左の肩に引っ掛けておくというスタイルを採っています。
今回の探訪では NIKONのD3s/D300s/D7000/D5100、CanonのEOS-1D/60D/Kiss X5、Pentax K-5/K-r、Sony α55、PanasonicのGH2/G3 に触れる事が出来ましたのでその印象を。
そうそう、下に私の手の平のサイズを記載しておきましょう。 男性としては一寸小さめかも。 +1cm大きければ私より一廻り大きい機種の方がシックリするかもしれません。
・ ハイエンドの Nikon D3系、Canon EOS-1系
レンズ重量を考えると私にはとても手持ちでは捌ける代物ではありません。 モータードライブでのタイマー連続撮影や高速連写が必要であればですが・・・ カメラ・三脚を担いで旅をする様なコアな方は別として、一般の方には三脚使いでないと無理だろうと思いを新たにしました。
・ 上級アマチュア向けの Nikon D300s
NikonのD300sは過去のD200の印象そのままといって良いかもしれません。 ~135mmズームではそれほどではありませんが、手持ちの~200mmズームに付け替えた所バランスが崩れ右手手首に左下に引っ張る様なモーメントが掛かってきます。 D80とは15mm、K10Dとは約5mmの差に過ぎませんが、眼鏡を掛けたままでファインダを覗かねばならない私にとってはブレを誘発するこれはちょっと・・・です。 ただ、タイマー連続撮影用のレリーズがこれ以上にしかないのが残念な点ですね。
・ 中級アマチュア向けの Nikon D7000、Canon 60D、Pentax K-5
D7000はD80の系統ですし、Pentax K-5はすこし小さく軽くなっていますがホールドにはさして影響は出ていない様で、シックリとなじみました。
Canonの60Dは40Dの時と同様なんとなく大きく感じますし、上部にあるメイン電子ダイヤルの操作を人差し指でするというのが引っかかります。 ボデー重心も少し前にあるのではといった印象を持ちました。
・ 入門機 Nikon D5100、Canon Kiss X5、Pentax K-r、Sony α55
このクラスのものは何れも私の手には小さ過ぎ、また300mm以上のレンズを付けるには本体側が小さく、重量が少な過ぎバランスが崩れます。 これらはメーカーのセットレンズ位の範囲で楽しむ物の様です。 動画撮影や裏画像モニターがビデオの様に可動出来るものもありますので、家族内での写真を撮るには便利でしょう。
メーカー | 機種 | サイズ | 本体重量 |
Nikon | D80 | 132.0W*103.0H*77.0D | 585g |
Pentax | K10D | 141.5W*101.0H*70.0D | 710g |
Nikon | D3x | 159.5W*157.0H*87.5D | 1220g |
D700 | 147.0W*123.0H*77.0D | 995g | |
D300s | 147.0W*114.0H*74.0D | 840g | |
D7000 | 132.0W*105.0H*77.0D | 690g | |
D5100 | 128.0W*97.0H*79.0D | 510g | |
Canon | EOS 1Ds | 156.0W*159.6H*79.9D | 1210g |
EOS 5D | 152.0W*113.5H*75.0D | 810g | |
EOS 60D | 144.5W*105.8H*78.6D | 675g | |
EOS Kiss X5 | 133.1W*99.5H*79.7D | 515g | |
Pentax | 645D | 156.0W*117.0H*119.0D | 1480g |
K-5 | 131.0W*97.0H*73.0D | 660g | |
K-r | 125.0W*97.0H*68.0D | 544g | |
Sony | α900 | 156.3W*116.9H*81.9D | 850g |
α77 | 142.6W*104.0H*80.9D | 653g | |
α65 | 132.1W*97.5H*80.7D | 543g | |
α55 | 124.4W*92.0H*84.7D | 441g | |
Sigma | SD1 | 145.5W*113.5H*80.0D | 700g |
Olimpus | E-5 | 142.5W*116.5H*74.5D | 800g |
Panasonic | GH2 | 124.0W*89.6*75.8D | 392g |
G3 | 115.2W*83.6H*46.7D | 336g |
フォーカスポイントの変更、露出測定法の変更、EV設定変更、ISO感度切替え、ホワイトバランスの調整のし易さなどが使う上で重要なポイントになりますが、これらはちょこっと扱っただけでは本当の所は分かりませんので今回は一切チェックしていません。 1台に時間を掛ける時間的余裕もなく・・・(^^;)>
速度・絞りに関しては、最近のものはISO800位~1600までは殆どざらつきが気にならない様ですので、絞り・シャッター速度合わせて4段は稼げますので、高倍率ズームでも結構な暗さの所まで手持ちで撮影が出来る様です。
また、これからは動画もひとつの選択肢になるでしょうね。 撮影時間は短いですが、レンズの暈け味の加わった画像が楽しめるでしょうし、動くものに対する撮影の尤度が上がり、画像は小さくても面白い一瞬を捉えた絵を得る事が出来ますから。
【画像解像度・発色について】
各メーカーのサイトにあるサンプル画像から解像度・シャープネス・発色を見てみました。 いずれも等倍サンプル画像がある機種についての確認で、ACDSeeというビューワソフトでiiyama E2472HD 上に表示、セルの状態が見える様に150%に拡大してキャプチャー、部分(1020*520)をフォトショップで切り出したものです。 以下の画像は幅530に縮小表示されています。 画像をクリックして頂ければ、画像ライブラリで原寸でセル状態を確認頂けます。
ここで見る内容は
・ 線のエッジの状態
- セルの形状が見えるか
- 白く飛んだ処がないか
・ 同色の面に色の濁りがないか
・ 像の周囲部分に異なる色にじみはないか
・ 白色の部分に出る偽色はないか
《現有Nikon D80》
これは睡蓮を撮ったものの部分。 WB:晴天-1、ノイズリダクション:オフ、仕上がり:標準、色合い調整:0、階調/彩度/輪郭強調:AUTO で撮ったもの。 以下のものと比べてみてもまだ耐えられそうですね(^^)
《現有Pentax K10D》
これは河を隔てて対岸の狩の後濡れた羽を乾かすオオタカを撮ったもの。 500mm手持ち夕刻だったので1/400・F9.0がやっと。 -0.3EV以外補正は一切掛かっていません。 すこし露出が足りない為黄色が被っています。 折角のシャッターチャンスでしたが、7割以上ブレで使い物にならず・・・500~700mmの手持ちで動くものを狙うのは私の腕では、でした。
以下と比べて見て思うことは、自身の腕の稚拙さ・・・手ブレを何とかせねばというのが切実ですね~。 せっかちな処も直さねば(^^;)> それにピントも。 眼鏡とファインダの補正の組み合わせなので合っているのかはっきり分からずにシャッターを押しているのが実情といった方がよいかも。 眼鏡を外してでは周りがはっきり見えず・・・
カメラ自体の進歩はまだ我慢が出来る範囲といった処でしょうか。
《Sigma SD1》
このカメラ、その撮像素子自体が大変異色です。 23.5*15.7mmというAPS-Cより少し小さなものですが、赤・青・緑の原色を3段に重ねた形の特殊なもので、単色画素数は約1500万画素強というものです。 カタログ上の4800万画素というのはその他のカメラとは少し意味合いが異なります。 一般の素子では同一平面にR/B各25%、G50%の割合で受光素子が配列されており、この総数を画素数としていますのでこの様な表現にしているのだと思います。 通常の素子は3色4点から相互補間で、4点を再現していますので、出力画像は2000万画素では例えばLarge:5919*3744となりますが、この機種では1600万画素クラスのLarge:4,704×3,136になります。 Sigma は、通常の撮像素子では各素子の面積が小さくなり、各色の失われた部分は周囲の色から補完して再現していますのでそれだけ解像度、色再現性に劣るのを嫌っているのでしょう。
この様な特殊素子ですので、当然ながら生産歩留まりも低く、価格も高いものになります。 しかし、サンプル画像を見る限り前機種に比べ、長足の進歩の跡が見られる様で少々驚きました。 シャギーはありますが、素子の性格上偽色はなく細かな処まで深みのある階調・色調で再現されています。 当然ながら解像度も高い様です。 価格コム等でのこの素子の評価は非常に高く、画質については殆どの方が最高評価を与えておられます。 645・フィルムカメラの方が満足という評価ですので、このフォビオン X3という素子がそれだけ優れているということでしょう。 ただし、システムとしては数代前の中級機なみという評価になっている様です(^^) 将来的には使って見たい機種ですね。
《Nikon D3x》
眼の部分のグレーと黒のエッジに殆ど偽色がありません。 これがNikonの白が澄んでいる理由でしょうかね。 風景の方もエッジの部分は結構シャギーがはっきりしていますが、偽色がないのでグレー部分が綺麗ですね。
《Nikon D300s》
遠景のものを取り上げましたが、1200万画素ではこれ位はっきりしない絵にしかなりません。 ただ、発色・陰影のバランスはよいのですっきりした絵にはなります。 雪壁の濃淡、白とグレー、空の対比も自然です。
《Nikon D7000》
横のラインは見えますが、シャギーの色変化は自然ですので余り気にならないでしょう。 やはりグレーから白が綺麗ですし、人肌も自然に感じますね。
《Nikon D5100》
これはちょっと吃驚です。 ほとんどエッジが気にならない。 最新機種で何かエンジンが変わったのでしょうかね~ 発色はNikonカラーそのもの。
《Canon 1Dsmk3》
カメラ側でシャープネスを2段掛けている為かエッジに白が乗ってしまっています。 それに横の素子フレームが思いの外はっきり見えるのには吃驚。
《Canon 5Dmk2》
眼にピントが入っていないですが、それでも横のフレームがみえていますし、キャノンらしく白~グレーにかけてマセンダ系の偽色が乗っています。 ポートレートには昔からキャノンが向くと言われたのはこの発色のせいですので、メーカー・カラーといってもいいでしょう。 これがニュートラル設定の様です。 確かにエッジに強調跡はありませんね。
《Canon 60D》
これは遠景のすこし露出不足部分を切り出していますのですので色被りの性質が見えてきます。 白からグレーおよび画像エッジにマセンダ系の滲みが乗っていますね。
《Canon Kiss-X5》
これは横だけでなく縦のフレームも見える様ですので暗部の多い写真では濁る可能性がある? それとやはり全体に薄くマセンダが乗っている様に感じます。 これはニュートラルの設定のせいかすこし薄め?
《Pentax K-5》
私のK10Dでは露出が不足するとグレーが濁り、全体に黄色が乗ってきます。 顔のエッジ部分の偽色を見ると黄色/緑が出ていますので、性格は変わっていないみたいです。 エッジ部分の補正斑やシャギーがはっきりしている方でしょうか。 これはファイン・シャープネスONで撮られていますので、この状態も致し方なしかもですね。
《Pentax K-r》
これはカメラ側の設定がスーパーファインになっていますのである意味致し方ないでしょうが、ベリーの周囲に白い線が浮いて来ており、明らかな補正過多。 鮮やかですが疲れる画像ですね。 無補正のサンプルがありませんでしたので・・・
《Olimpus E-5》
これはフォーサーズなので受光面積は小さいのですが、結構しっかりした画像ですね。 この写真は1.4倍のテレコンを付けて撮っている事を考えると非常にシャープな画像です。 オリンパス用のビューワソフトがありませんので、補正が行われているのかは分かりませんが、掛かっているのではと思わせる画像です(^^)
《Panasonic GH2》
Panasonicさんには悪いですが、従来から私が感じている家電メーカーの画像処理の域を出ておらず、エッジ処理が拙いのか花弁の周囲に幅を持った滲みがはっきりと出ています。 それになんとなくざらついた絵ですね。
《Panasonic G3》
これくらいの暗部でも色が濁って見えますし、すでにエッジには白い点が出ていますので補正過多といっていい絵作りで、平板に感じます。 家庭のアルバム写真用でしょうか。
Sonyのサイトの画像サンプルはAdobe Flash Playerを使ったもので実サイズのものが置いてない様です。 メーカーサイドが何の為にサンプルを置くのか理解しておられないのでしょうか。 加工したものを置いてもまったく意味がないのですがね~
上記の製品から今どれかをといわれれば、手持ちレンズを無視しても 中級機なら Nikon の D7000 、次点が Pentax K-5 です。 エントリー用であれば D5100 は抜群の画質だと思いますのでこれを選びます。
只、もうすぐ Sony の中級以上が2400万画素になりますし、そろそろ製品寿命という上級機種が多いので、この辺が出揃ってというのが正直な処でしょうか。
【その他】
その他レンズ固定式の一眼レフにも触れてみましたが、サブ・旅行用として一寸惹かれた機種がありましたので取り上げておきます。
《FujiFilm FinePix HS20EXR》 発売日: 2011/03/05
有効画素数: 1600万・1/2型 EXR CMOS 原色フィルター レ ン ズ: 4.2mm/F2.8~126.0mm/F5.6 光学30倍ズーム(35mm換算:24~720mm) マクロ機能: 約1cm~1m(広角端)、望遠側約2~5m 手ブレ補正: センサーシフト方式 連写機能 : 3~8枚/秒 動画撮影 : 1920*1080/30フレーム可能 ステレオ音声・撮影中のズーム可能 撮影時重量: 約730g 価 格 : ¥30,000~ |
重たいレンズの携行や交換をせずに720mm迄の望遠撮影が出来、FullHDでの30フレーム動画撮影も可能な物が1kg未満、3万円で手に出来るのですからちょっとそそられませんか。 それにバッテリーが単三4本というのもいいですね。 リチュームか水素を2セット持っておけば、最悪コンビニに駆け込めば何とかなりますので、旅のお供には最適でしょう。
私の現有機Pentax K10Dと3本のレンズでカバーする範囲をこの1台でほぼすべてカバー出来るのですから・・・価格コムでもそこそこのいい評価を貰っている様です。 確かに一眼に比べると起動時間や書き込み時間が掛かるなどマイナス点はありますが、この値段でこの機能なのですからそこは我慢しなくてはでしょう。
サイトにあるサンプル画像の発色も富士らしい渋い発色、そこそこの解像度ですし、過剰な補正はない様ですのでサブには持って来い?
この写真でみるエッジの補正状態は下図の様な状態ですので、自然な補正の範囲ですね。 ピントが甘めに感じますが、素子のエッジが殆ど見えませんので強調感のない素直な絵になっています。
《Casio EX-FH25》 発売日: 2009/11/27
有効画素数: 1010万・1/2.3型高速CMOS(裏面照射型) レ ン ズ: 4.6mm/F2.8~92.0mm/F4.5 (35mm換算:26~520mm) 光学20倍+デジタル4倍ズーム HD時最大114倍 マクロ機能: 約1~12cm/12cm~50cm(広角端) /12~∞(望遠端) 連写機能 : Max40枚/秒 動画撮影 : 1920*1080/30フレーム可能 音声モノラル・ズーム可能 撮影時重量: 577g 価 格 : ¥28,000~ |
このカメラは速写に特化したもので、これ以外に同等機能を持った機種がないといった商品です。 発売以来だいぶ経っていますが、後を追った機種がない様です。
絞りはF2.8~F7.9迄というものですので、絞りを使った絵作りは無理ですね。 しかし、運動やレースを置きピンで撮るには最適かも。 動画は4GBというファイルサイズの制限一杯迄撮れる様です。
サイトに静止画のサンプル画像がありますので、絵作りの状態はこれで確認してください。
この写真でみるエッジの補正状態は下図の様な状態ですので、電気系メーカーのカメラにしては自然な補正の範囲ですね。