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BGM: リヒテル / シューマン 交響的練習曲 作品13 [睡夢庵のBGM]

【BGM: リヒテル / シューマン 交響的練習曲 作品13 】

今日はリヒテルのピアノでシューマン/ベートヴェンを。
リヒテルは1971年の9月にこの場所でレコード3枚分の録音をまとめてしますが、これらが「クレスハイム宮のリヒテル」と銘打って3部作として出ます。 これはその1枚目。 ここでリヒテルは自分の好きで得意なもので録音として残しておきたいものを選んだとされています。 

ピアノはベートーヴェンでは「ベーゼンドルファー」、シューマンは「スタインウェイ」という使い分けがされています。 スタインウェイの軽やかで輝かしく華やかな響きに対して、ベーゼンドルファーには中低域が広がる柔らかかつメリハリのある音色を求めたのでしょう。

スヴャトスラフ・リヒテル(Sviatoslav Teofilovich Rihiter:1915/03/20-1997/08/01没)、ドイツ人を父に持つソビエト連邦・ウクライナ出身のピアニストであり、20世紀最高のピアニストと称されている。 その農民のような大きく頑丈で厳つい手から紡ぎだされる音色は強靭かつ繊細な見事なもの。
1915年ピアニストの両親の下でウクライナのジトームルに生まれる。 1934年19歳の時に初リサイタルを開き、成功を収め、1937年22歳という遅い年齢でモスクワ音楽院に入学するが、既に完成されたピアニストだったと評されている。 エミール・ギレリスは同門の2年先輩に当たる。 東西冷戦期間中、在留ドイツ人扱いであった為かなかなか海外での演奏許可が下りず、西側では「幻のピアニスト」とも称される。 戦後早い時期から海外活動を行っていたギレリスがその演奏後最大の賛辞を贈ろうとしたユージン・オーマンディに対し、「リヒテルを聴く迄待ってほしい」と制したことなども興味をかきたてる元になった。 1958年2月25日にブルガリア・ソフィアで行ったリサイタルの録音が西側でもレコード化されたこと、同年の第1回チャイコフスキー国際コンクールに優勝したヴァン・クライバーンが滞在中に聴いたリヒテルの演奏を絶賛したこともあって、その期待さらに増した。 1959年ドイツグラモフォンのスタッフによりワルシャワで行われた録音の中のワルシャワ・フィルとの共演によるラフマニノフのピアノ・コンチェルト第2番はこの作品の演奏の最右翼に挙げられる。 1960年5月ようやく西側での演奏活動に許可がおり、世界に活動の場を広げる。
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発売: ?
新世界/ビクター
LP-No. MKX-2002
- MKX-2002 Side-1 -
ベートヴェン ピアノ・ソナタ 第27番 ホ短調 作品90
使用ピアノ: ベーゼンドルファー

- MKX-2002 Side-2 -
シューマン 交響的練習曲 作品13
使用ピアノ: スタインウエイ

録音日時: 1971/09
録音場所: ザルツブルグ・クレスハイム宮

グランド・ピアノは一般的に88鍵ですが、ベーゼンドルファーには92/97鍵のものもあり、ブゾーニの要望により8オクターブの音域をカバーし、オルガン曲の演奏を可能にする為に製作されたようです。 バルトーク、ドビュッシー、ラベル等の曲ではその意図した響きを再現するにはこの音域が必要となります。

フルサイズ・コンサート・グランドは前後長が3m弱ありますし、値段もヤマハのCFXでも2000万しますから音響効果も考えると一般ではなかなか手の出せる代物ではありませんが、数mの至近距離で聴くコンサート・グランドの音色はやはり異次元です。

《主たるコンサート・グランド製造メーカー》
スタインウェイ & サンズ(米国)
ベヒシュタイン(ドイツ)
ベーゼンドルファー(ヤマハ傘下)
ブリュートナー
プレイエル
ファツィオリ
シンメル(生産量ドイツ1位)
ヤマハ(生産量世界1位)
カワイ(生産量世界2位)
ボストンピアノ(スタインウェイを日本でOEM生産)


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