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家を建てて知った事柄 基礎 [終の棲家]

【終の棲家:家を建てて知った事柄 基礎】

長期優良住宅、次世代省エネ基準適合住宅といったものが通産省、建設省等の肝煎りで打ち出されていますが、果たして必要?といった思いがあります。
何れにせよ朽ちる材料を使って強固な物を作ると後始末に困るのでは? それに有機構造材を荷重が掛かる部分に使って50年~100年保つなんて話はありえませんからね。
本当に長期を見据えるなら、少なくとも壁構造をレンガないしは石材を用いる物にすべきでしょうね。 これならば投下した資産の減耗もずんとすくないはず。 ま、それには欧州の様に確固とした都市計画が必要ですし、個人が勝手気ままに建物を建てられなくせねばなりませんけれど。

あ、こんな話はさておき、住宅の基礎関連項目について、

《基礎の種類》

1. 直接基礎

 1-1. 独立基礎   昔の日本家屋の様に柱1本を一つの基礎or玉石で支える。
           荷重が掛かる場合は建てる地盤が強固である事と土台・
           柱・梁で構成するフレームが強固で土台面をフラットに
           維持出来る必要がある。

 1-2. 布基礎  ・ 地耐力が20kN/㎡以上の地盤に使用される。
         ・ 建物の外周部、主要間仕切り壁の下や便所、浴室周り等
           部分的に逆T字型の鉄筋入り基礎を作る。
         ・ 原則として基礎が入らない部分は地面が露出する。

 1-3. ベタ基礎 ・ 地耐力が30kN/㎡以上の地盤に使用される。
         ・ 建物の下全体をお盆を伏せた様な状態で鉄筋入りの
           基礎(ベース)で覆う(地面は露出しない)。
         ・ ベースの上に布基礎同様土台を受ける立上りを作る。

2. 杭基礎    ・ 地耐力が20kN/㎡以下の軟弱な地盤の場合に使う。
           鋼管を強固な地盤迄打ち込みその上にベタ基礎を作る。

《独立基礎》

現在の一般住宅では玄関のポーチ屋根やベランダ等の支持柱に使われる程度になっています。

特注で昔の様に床下が抜ける様な家を建てるか、高床式にする場合を除いて使われる事はまずないでしょう。

《布基礎》

建物の下全体をコンクリートで覆いませんので、鉄筋、コンクリートなどの建材の使用量は減らせますが、基礎の全てが繋がっているわけではありませんので水平出し等は難しくなります。 建材量が少ないということは建物総重量がベタ基礎に比べ少ないので、地耐力のマージンが少ない処でも使えるのがメリットでしょうか。

ベタ基礎に比べ劣る点

・ 地面が露出している事に起因し

 - 基礎外周部に換気の為の開口部を設けなければならない。

 - 地面の湿気がそのまま床下に上がる
   ・何らかの強制換気手段が必要

   これを怠ると 黴類の繁殖等による土台、柱の傷みや
   健康被害を招く事がある。

 - 地面が露出している為、ベタ基礎に比べ、白蟻被害を受け易い。

 - 部分的な地盤沈下を起こす若しくは耐性が弱い

最近ではこの欠点を補う為、全ての基礎を繋ぐ「連続布基礎」、露出地面をベタ基礎同等に防湿フィルムと鉄筋入りコンクリートで覆う複合型に移行しつつある様です。 気密・断熱を謳うにはこうするしかないでしょう。

《ベタ基礎》

建物の下全体を鉄筋入りのコンクリートで覆いますので、荷重を面で支える事になり、部分的な地盤異常に強いと言えます。 また、全体を同質の作業で行いますので、施工に手間が掛からないので採用する処が増えています。
それと正規の工法を採れば、床下の防湿は土台したのパッキンだけで済み、強制換気を考えなくて良い事もメリットになっています。
《布基礎断面》《ベタ基礎断面》
nunokiso_danmen.jpg betakiso_danmen.jpg

《布基礎下地》
nunokiso_sitaji.jpg
《布基礎完成 ⇒連続布基礎 地面の露出あり》
nunokiso_kansei.jpg
《ベタ基礎 ベース処理前》《ベタ基礎 立上り型枠》
betakiso_haikin.jpg betakiso_tachiagari.jpg
《ベタ基礎完成》
betakiso_kansei.jpg

拙宅の基礎工事はベース部と立上り部の2工程に分けて行われました。 1工程の一体工事で行う方が接合部が出来ませんので、強度的には強くなります。 只、コンクリートの流し込みで不良が出易い、型枠を浮かせて設置しなければならない為特殊な支持具が必要な事等から分割施工が行われている様です。
ベース処理前の写真では捨てコン、防湿シート、鉄筋の径、横行配筋の高さ保持法、鉄筋のオーバーラップおよび分割状態、支持鋼束固定ボルト取り付け状態等が確認出来ます。
立上り型枠の方ではアンカーボルト、ホールダウンアンカー位置、出隅形状、配筋位置(外から70mm)、風呂場の立上りが150mmである事等が読み取れます。
防湿シート内側に付いている水滴を見ると、床下の防湿対策の必要性を痛感させられます。 びっしりとついていますから。


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