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セルロース・ファイバーの断熱効果 [終の棲家]

【セルロース・ファイバーの断熱効果】

我“終の棲家”は埼玉県の地場ホーム・ビルダー「開成コーポレーション」に建てて貰ったものです。
懐の余裕がありませんので、当時の開成サンの「彩美」という標準的なタイプで建てました。
このモデル/開成さんを選んだ理由は

1. 建築総コスト   最終的な坪単価が50万未満で済む
2. 担当営業さん   地場なので移動もなく、長期に亘ってお付き合い可能
           非常に印象も良く、施主目線で社内交渉をして貰えた
3. 換気方式     各室独立換気=>天井裏にダクトが入らない
4. 外壁材      サイディングの選択肢が広い
5. 外郭断熱材    セルロース・ファイバーが標準になっている
6. 建物什器類    全て天然素材ではないが、一般の標準レベルにある
7. 基礎       べた(スラブ一体型)基礎 外周4隅には埋め込み
           ポールダウンアンカーが入り、アンカーボルト数も
           一部大手に勝る強度を持つ構造である。

といったところです。

セルロース・ファイバーもグラス・ウールも熱伝導率そのものはそれほど変わりませんが、営業さんも工務の方もセルロース・ファイバーで建てたお客さんの処はやはり暖かいという実感を持っておられる様です。 差込みだけのグラス・ウールとカバーシートを打って充填しているセルロース・ファイバーの工法上の差なのかもしれませんね。 吹き込みの場合厚みの差や隙間がありませんので、それだけ効率がよいのではないでしょうか。

《彩美の断熱仕様》
項  目新省エネ基準次世代省エネ基準彩美
性能表示3等級4等級
外気に接する屋根又は天井90mm屋根 230mm 天井200mm160/185mm
外壁60mm110mm90mm
外気に接する床65mm135mm120mm
その他の床40mm90mm40mm
外気に接する土間床等70mm
その他の土間床等20mm
気密仕上げの必要性北海道のみすべての地域なし


以上の様に開成さんの「彩美」の設計年次は2世代前になりますのでその段階では頑張った、性能表示等級では3.5という処にあり、長期優良住宅・省エネルギー住宅には届いていません。

グラスウールが使われている場所は、2Fが存在する部分の1F天井でここには 16KHG λ=0.038W/mk 70mm厚のものが使われています。 2Fの床厚は52.5mmあり、ここには12.5mmの防水パワーボードがサンドイッチされていますので、それなりの断熱効果が期待出来ます。

一番気になるのがその他の床の40mm 化成のサニーライトλ=0.042W/mk 、今年の冬の状態を見て追加工事をしてみようかと思っています。 白蟻対策があるので、下手な材料が使えないというのがありますが。

床下に潜ってみましたが、外の光が樹脂パッキンのスリットを通して見え、床面は乾燥していました。 ただ、やはり本間寸法は狭いです。 基礎立ち上がりの厚さが150~180mmですので、幅80cmありませんし、高さも40cm、床下には根太を支える鋼束が半間間隔で立っていますのでモグラもなかなか大変です(^^) この時は、風呂、台所の水・湯配管に断熱カバーの取り付けをしました。 元々の配管にもスチロールの数ミリ厚の断熱材がついてはいますが、はっきり言って足りません。 最初から言っておけば良かったと悔やみました(^^) 僅かな温度差でもお湯の使用量、水の使用量が変わってきますので、塵も積もれば・・・

《断熱効果に関する印象》

外壁サイディングにはマイクロコート付きのニチハのモエンエクセラード・シリーズが使われています。 壁構造は一般的な《大壁》で仕様上はその空間に 90mm 厚でセルロースファイバーが吹き込まれている事になっています。 しかし現場で確認した限りでは、柱は 120mm 構造合板/内張りサイディングは柱の外に張られていますので、実際の壁内空間は柱の太さ 120mm とみて良い状態です。 天井は 160mm の敷き込みです。 下の写真は吹き込んだ後の壁面および1F1階建て部の天井接合部分の状態です。 パンパンに吹き込まれています(^^)
20100130_dannetu.jpg
ちなみに、自室の温度は 12月15日9:30 快晴状態で

南側外壁面: 59.4℃  同位置内壁面: 21.6℃
             => 11:00  23.0℃  ほぼ室内温度
西側外壁面: 10.8℃  同位置内壁面: 21.4℃
              床     : 21.2℃
              天井    : 22.6℃

西南向きなので南側外壁面は12:30には 48.8℃に下がっていました。
同面のカラーはこげ茶、アイボリーホワイトの面は38.8℃でカラーによる
差が10℃ありました。 冬でも太陽に正対すると60℃になるのには吃驚。
やはり、白系の外壁材を選ぶ方が負荷は減るようですね。

同日18:30の室内の状態は
床:21.0 天井:23.2 南側内壁面:23.2 西側壁面:23.0
温度計指針:23.0℃ 湿度:35% でした。
掃き出し窓が20℃を切っており、カーテン下から冷気が流れ始めて
いましたので、床が一番低く出ています。

15時頃迄シャッターを下ろし、18:30迄はシャッターを上げましたが
その間殆ど温度変化なしでした。 シャッターと窓との空気間隙の断熱効果
も結構ある様です。

上の数値はまあ、十分な断熱効果ありと言っていい数値ではないでしょうか。

一応寝る前にはサッシを開けて、空気を入れ替えて寝ますので、閉めた後の室内温度は20℃以下になりますが、朝起きた直後の床温度は16℃以上・・・
ちなみに現在迄の建物内最低温度は1F北側居室の床で15.4℃、当日は車の天井の夜露がパリパリに凍っていましたので外気温は氷点下に下がったのでしょう。 24時間1F廊下の排気ファンは強で廻したままですので、吸気口を閉じていない部屋からは外気が入っているはずなのですが、この程度のダウンで済んでいます。

南面に居室を持って太陽の偉大さを実感しています。 12月に入っても天気が良いと日中はシャッターを閉めておかなければ部屋の中は暑くなってしまい、パソコンが悲鳴を上げてしまいます(^^;) その内、外に屋根を設けるか・・・
わたしの部屋はPC2台とアンプ1台に火が入っているせいで今の所一切暖房を使っていませんが、途中で空気の入れ替えをしないと25℃以上になります。 今の所暖房を入れているのは朝・晩LDKだけ・・・

昼間は風呂の窓を開けている時間が長いので廊下は外気に繋がっている様な状態なのですが、さほど寒さを感じる事はありません。

そうそう、4ヶ月に1度 吸気ファン、排気ファンの掃除をしていますが、吸気ファンのフィルターは車の排気ガスのカーボンなのでしょう、黒い輪っか、排気ファンのファンには綿埃、その先のダクトの中にも埃の玉が既に出来ています。 1Fの生活人員は2人+1匹なのですが・・・
今話題?の《内張断熱・全館簡易熱交換冷暖房》ではありませんが、今の所昔の日本家屋や鉄骨プレハブ、コンクリートの様な寒さを感じることはありません。 夏はある程度暑く、冬は冬なりにが良い人ですので、現時点では埃を優先して、《全館簡易熱交換冷暖房》にしなくて良かったと思っています。 天井裏の状態を考えるととてもダクトの掃除や交換は出来ない相談ですので。 ある意味猫も杓子も長期優良住宅になる前でよかったかも です。

=断熱材の比較=

《グラス・ウールの利点》

1. 価格が安いわりに断熱性能がよい。
2. 切断・曲げなど自由に加工出来る
3. 厚さ・サイズ・密度等種類が豊富。

熱伝導率 0.036~0.050W/mk  透湿率  0

《グラス・ウールの欠点》

1. 水を含むとその重量で潰れてしまい、その後乾燥しても元の形状・体積に
  戻らない。 これは断熱性能を失うことを意味する。
2. パッケージは裸と気密袋入りがあるが、裸は気密シートを貼り、水分が
  入らない様にしなければならず、袋入りは破れたり、加工した際の処置を
  間違うと結露する。
3. 溶解点が350℃程度と低くそれ自体に防火性能がないだけでなく、
  防湿袋、シートは引火性が高い物が多い。

 *この為壁内結露や外壁の破損等で雨漏りが起きるとその壁面を壊して工事を
  やり直さなければならない。 壁内結露は気付きにくいので、被害が広がる。

《セルロース・ファイバーの利点》

1. 主原料は新聞古紙。 これを粉砕して綿状にしたリサイクル・エコロジー
  商品である。
2. 吸放湿性に優れており、気密シートがなくても結露の心配がない。
3. 防音・吸音性にも優れている。
4. 化学処理のせいもあるが撥水/防虫/防黴効果がある。
5. 断熱性に優れる。
6. 防虫・防黴の為に添加されているホウ素系薬剤の効果で火炎に暴露した
  部分が炭化するのみで、硝子の様に溶けず防火性にすぐれる。

熱伝導率 0.038~0.040W/mk
透湿率  155ng/m・s・ps    透湿抵抗  0.00645m・s・ps/ng

《セルロース・ファイバーの欠点》

1. 施工方法が吹き込みしかないため、シート貼りという工程が必要になる。
2. 吹き込みなので、コンセントボックスや吸排気口辺りから暫く出てくる。

☆追記☆
12月16日曇天 9:00
駐車場コンクリート表面: 5.0℃  庭露出土:   5.8℃
西面サイディング:    3.8℃  同位置内壁面: 16.0℃
南面サイディング:    4.0℃  同位置内壁面: 16.2℃
室内床面:       16.4℃  天井    : 17.4℃

全ての面が同じ様に下がっていて、その中では床の下がり方は一番少ない様ですので、床下断熱は現状のままでよさそうです。 外気と直結しているとはいえ、基礎部の蓄熱効果が効いているのかもしれませんね。
室温徐々に上がってきて、現在18.0℃ 湿度36%

☆追記2☆
12:00を過ぎてなんだか足元が・・・裸足なので(^^)
机上の温度計を見たら、19℃/34%と一度20℃を超えた室温が又下がり始めました。
タバコを吸うついでに壁面を測って見ると
西側サイディング:   10.0℃  同位置内壁面: 18.6℃
南側サイディング:    9.6℃  同位置内壁面: 18.6℃

サッシ外側ガラス部:   7.4℃  同内側:    14.4℃
ガラス面からの放熱のせいで温度が下がりだした様です。
シャッターを下ろして、その効果を見てみることにします。(^^)

☆追記3
21:30
先のシャッターの断熱効果、サッシ内側で2℃上がりました。
それにしても、今日は冷え込みますね。 じわりじわりと下がり続けるので、ついにエアコンいれてしまいました(^^;)>
外を測定してみたところ、気中温度-1.2℃ 壁面-1.6℃ 車の天井-5.6℃
空を見上げた所、デスクワーク用のメガネでもオリオン座の真ん中の3つの星が見える位空気が澄んでいます。 放射冷却でまだまだ冷えそうです。

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