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日々徒然: Google 遂に牙を剥く? [睡夢庵 日々徒然]

【Google 遂に牙を剥く?】

GoogleがクロームOSのリリースを発表しましたが、これは現在までマイクロソフトがOS/Officeソフトの世界で市場を支配して来た事以上に非常に危険な兆候です。

なぜならマイクロソフトは飽くまで商品で市場を支配しましたが、GoogleのクロームOSはGoogleに世界のデータを支配する事を可能にさせるからです。

なぜか? クロームOSは端末側で入出力と表示、データ保管程度だけを行う、ある意味ウェブアプリケーションのひとつであるといってよいものと思われるからです。 実際のデータ処理に関してはGoogleの提供するクラウドに接続し、処理及びデータの保護保存はクラウド側が行うので、殆どのソフトは無料若しくは格安に利用出来、尚且つ端末側のPCの処理能力に関わらず、高速な処理とデータ安全性が提供出来るとします。

これが表の顔ですが、裏ではユーザーの全てのデータはユーザーと関連づけてGoogle側で管理される事を意味します。 利用する企業/個人のデータは丸裸なのです。 いや、それぞれの段階で必要な保護手段を講じると言うでしょう。 たが、それらを行うのもGoogleでありGoogleの社員なのです。 本当にGoogleがユーザーのデータを見る事が出来ない環境を構築する事はまず不可能です。 たとえ、暗号化のユーザーキーの設定権がユーザーに渡されたとしても、そのデータを処理するGoogleの処理システムの中では必ず復号化されている訳ですから、これを抜き出すなどハードプロセスレイヤを知る人間にとっては難しい事ではありません。 I/O論理レイヤのどこかに必ず暗号・復号化のプロセスがあるはずですから、これに前置してデータを横に流す事が出来れば終わりです。

クロームOSへのログインはGoogle IDだけで行えるといいます。 本当にそうであれば、誰でも他人のデータへアクセス出来る事になります。 現在は単純なインターネットアクセスですから、余り問題にはなりませんが。 逆に出来ないとすれば、ユーザーPCに関わる何らかのデータ(Mac-ID/Net-Address等)がGoogleに渡り、これを含めた範囲でアクセス制限をすると考えざるを得ません。 とすると端末が故障した場合どうなる? PCを変えたら? データ全てを失う可能性等、幾つものデータ安全性に関するネックが出てきます。

双方のデータ授受に関しても同様の事が言えます。 Webアプリと同等であれば少なくともSSL相当の暗号化は行われるでしょう。 しかしながら、現状での通常のWebアクセスでネット上に乗るユーザーパケットは僅かなものですが、Webアプリとなると全てのキー入力がネット上を流れ、且つ画面イメージの断片と、処理開始時のファイル及び完了時のファイルがネット上を流れる事になります。 例え暗号化されていようとあくまでデジタルの世界ですので、必ずこれを破る事は可能です。 データ量が増えるという事は、例えば政府、ネット監査・調査会社、プロバイダー、サーバー・クラウド提供会社等技術的バックグラウンドを持つ処などでも、特定のユーザーのデータだけを収集・解析する事が可能になって来ます。

もし、Googleが自身のクラウドの中に流れ込むデータを統一的に分析する様になると、世の全てのものの支配が可能になります。
なぜなら、ユーザーは提供される性能と機能の範囲でしか使えませんが、Googleは外部に提供する以上の性能と機能を持った手段で分析出来るからです。 これを使い、ユーザーに先んじて市場に介入すればどうなるでしょうか?

彼らがこれをやらないと誰が保証しますか?

なぜ、欧州、日本等でこれらの事業で寡占を狙う処が出ないのか? 国民性?(^^;) 今回の金融バブル等金を稼ぐ為であれば何でもやってしまうのがアメリカの企業であり、米国人なのです。 企業人となった時の彼らは本当にクリスチャン? 彼らにとっては日曜教会で懺悔をしたり、ボランティアやチャリティーで活動したり寄付でもすれば許されるとでも思っているのでしょう(^^)

昔Googleの入り口に掲げられたボードに“Google銀行を作り世界の金融を支配する”、“Google政府を作る”といった社員の言葉が記載されていたそうです。 モノポリーの世界で育った人間が殆どを占める彼らの中でこういう意図を持つ人間が出てこないと誰が保証しますか。 特に寡占を狙う米国の企業においてをや。 既にこれらの概念は彼らの中で現実のものとして動き出したという風にわたしは理解しています。

既に携帯電話などで勝手に広告が流れて来る等の状況があります。 それも個人の嗜好に沿ったものが流れて来るとすれば、それはなぜか?考えみてください。 皆さんがインターネット、商店等で買い物をした際の商品、価格等の情報が全て管理・分析されているという事を意味しているのです。 これが進めばどうなるか、最早自由競争等は無くなってしまうのは明らかでしょう。 これらの情報を保持・管理するものが恣意的に市場に介入するのは明らかですから。 現在のアフィリエイト・システムは将にこれであり、実際に実害が発生しているのです。

クロームOSはオープンソースであり、そのような悪意のあるものは組み込めないと言うかも知れません。 だが、オープンソースとして開示されるのは端末側のソフトであり、クラウド側で動くクロームOSのカーネルの部分ではありません。 よしんばカーネル部分が公開されたとしてもクラウド上である以上そこにはクロームOS以外のシステムも複数稼動し、そのデータは共有される訳ですから、幾らでもこれらのデータを引き出すことは可能です。

Googleは夫々のレイヤで暗号化やアクセス管理を行い、機密の保持を行うというでしょう。 だが、それはその解除法を知る者達によって行われている訳ですから、何の意味も持たないのです。


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